健康

2023.07.03 12:30

「ペットのウェルビーイング」実現に向けて

動物行動学に基づく考えでは、“動物の本能を発揮させること”が心と体の健康に大切だとされています。

犬は噛むこと、吠えること、走ることが本能的に大好きです。つまり、噛むという行為自体が問題なのではなく、家具やリモコンのように噛んで欲しくないものを噛むということが問題ということがわかります。そこで、行動をただ禁じて抑え込んだのでは、犬はイライラして問題は悪化するばかりです。
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例えば噛むことに関しては、「噛んでいいもの」を決めてあげるといいでしょう。留守番のときは適度な硬さの牛皮ガムなどを与えることでストレスを発散させることが出来ます。そして正しい行動をしたときはその行動をほめること(報酬)が重要です。

犬をほめるということは、しつけとして「正解を教える行為」であり、人間のように賞賛を与えることではありません。

ガムのいいところは、がじったらおいしいことです。かじった瞬間に「おいしさ」というわかりやすい報酬でストレスへの正しい対処を学ばせることが出来るのです。

おしっこをあちこちにするのも困ることですが、それが犬の本来の習性です。ペットシーツにしたときはほめてあげないとそれが正解であることが犬はわかりません。知らない人にほえるのも習性なので、知人にほえなかったときは大げさにほめることが必要です。

ペットを家族の一員として迎える際には、自分たちの生活にペットを慣らそうとするのではなく、異なる動物の行動を知る努力と学びが欠かせません。きちんと理解し、向き合っていくことで、本当の家族としてお互いのウェルビーイングを築いていけるのではないでしょうか。

文=藤田康人

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