健康

2023.05.19

難解すぎるペット保険選び、原因とトレンドとは

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ペットフード協会の調べによると、2022年12月時点で、全国の推計飼育頭数は犬が705万3000頭、猫が883万7000頭。犬の新規飼育頭数は、過去10年間で最多の42万6000頭に上った。背景には、コロナ禍で在宅時間が増えたことで、ペット人気が高まったことがあると見られている。

ペットには人間のように公的な医療保険制度が無いため、治療費は全額自己負担となる。飼い主の経済的負担を減らすために有効なのがペット保険だが、ペット保険選びに苦労している飼い主が多いことが、犬に関するWEBメディア「INUNAVI」の調べで明らかになった。

同社は4月11日〜20日、10代~70代以上の全国の犬の飼い主462名を対象として、「ペット保険」に関する調査を実施。ペット保険は必要だと思うかを尋ねたところ、「必要だと思う」と回答した飼い主は8割近く(76.8%)に上った。さらに、ペット保険への加入状況については、「加入している」が4割超(44.2%)となる一方で、「加入していない」が約5割(48.5%)、「加入していたがやめた」という人も7.4%存在した。

具体的に入っている保険については、1位が「アニコム」(85人)。次いで2位「アイペット」(55人)、3位「楽天」(28人)となり、窓口清算型がトップ2を占めた。

「INUNAVI」の運営会社PLAN-Bは、「アニコムやアイペットは、窓口清算対応の動物病院であればその場で保険が適用され、自己負担額のみの支払いだけで済むということや、保険金請求の手間が省けるという点で選ぶ飼い主さんが多いと考えられます。また、ペット保険の老舗で大手の損害保険会社ということもあり、信用性が高い点も挙げられるでしょう」と解説した。

さらに、ペット保険選びは難しいと思うかを聞くと、「難しいと思う」と回答した飼い主が約9割(88.7%)を占める結果に。ペット保険や保険会社に求めることとしては、最多の回答が「分かりやすさ」(110人)で、「お手頃な保険料」(71人)、「補償内容の充実」(67人)が続いた。

飼い主からは、「実績など、具体的な数値や対象疾患名を明確に打ち出して欲しい」(女性 / 40代 / 雑種:3歳・5歳)、「もう少し安くなればいいのにと思う。高齢になってからの保険料があいまいなので記載してほしい」(女性 / 50代 / チワワ:1歳)、「各社で犬種、体重による区分がバラバラ。小型犬と言っているものが実際は超小型犬だったり、8kg以上は中型犬扱いだったり。統一して欲しい」(女性 / 40代 / MIXほか:1歳・3歳)、「掛け捨てではなく積み立てタイプが欲しいです。また、掛け捨てタイプであっても数年毎に健康お祝い金があるといいなと思います」(女性 / 40代 / MIX:14歳) などといった声が。

同社は、「さまざまなペット保険会社があり、それぞれプランも補償内容も異なりますが、人間のように気軽に比較・相談ができる保険の窓口はほぼなく、比較サイトやパンフレット等で自分で判断しなければいけないことから、多くの飼い主さんがペット保険は複雑で難しいと感じているのかもしれません」とコメント。

確かにペット保険には複数の種類があり、調ベるのには相応の手間がかかる。しかしペットは大切な家族の一員だ。その手間を惜しんでいざという時、焦らないようにしたい。ペット保険をしっかりと比較して、かけがえのない存在を守っていきたいものだ。

参考)ペットフード協会 2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果
https://petfood.or.jp/topics/img/221226.pdf

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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