このほど発表された2023年版では、世界の172都市を対象に安定性、医療、文化、教育、インフラといった項目を評価。それに基づいて総合ランキングが作成されている。
1、2位は変わらず
1位には2022年版に続き、オーストリアのウィーンが選ばれた。「安定、すばらしいインフラ、優れた教育・医療サービス、充実した文化や娯楽」がそろっていると高く評価された。マイナスポイントも少しだけあるものの、それも「大きなスポーツ大会がない」といった程度のものだ。2位も昨年と同じデンマークのコペンハーゲンだった。ウィーンと同様に安定やインフラ、文化などのスコアがおしなべて高かった。
3位にはオーストラリアのメルボルンが入り、4位も同じくオーストラリアのシドニーだった。両都市は新型コロナウイルス禍のあいだ、順位が上がったり下がったりしていて、昨年はまだ新型コロナの影響で医療システムに負荷がかかっていた。しかし今年は医療のスコアが改善し、順位がアップした。
上位10位にはこのほか、カナダの3都市(バンクーバー、カルガリー、トロント)、スイスの2都市(チューリヒ、ジュネーブ)、日本とニュージーランドの各1都市(大阪とオークランド)がランクインしている。
米国の都市は上位20位内に入れず、ロサンゼルスとサンディエゴは昨年から順位を17も下げた。両都市はスコア自体はそれほど大きく下げていないが、ほかの多くの都市、なかでもアジアの都市がスコアを上げたため追い抜かれた。米国勢ではホノルルの25位が最高だった。
アジア・太平洋の都市が躍進
今年のランキングで目立つのはアジア・太平洋地域の都市の躍進だ。最も大きく順位を上げた10都市のうち、8都市をこの地域が占めた。具体的には、ニュージーランドのウェリントンが順位を35上げて23位に、同じくニュージーランドのオークランドは順位を25上げて10位タイに浮上したほか、ベトナムのハノイも20上げて129位になった。コロナ禍が明けて生活が正常化してきたことが背景にある。欧州からは4都市がトップ10に入ったものの、西欧の都市は概して低迷した。ストライキやデモの増加により安定のスコアが損なわれたことなどが響いた。
2023年版ランキングの上位10都市は以下のとおり。
1位 ウィーン
2位 コペンハーゲン
3位 メルボルン
4位 シドニー
5位 バンクーバー
6位 チューリヒ
7位 カルガリー
8位 ジュネーブ
9位 トロント
10位 大阪、オークランド
(編集部注、日本からは東京も15位以内に入っている)
(forbes.com 原文)