失敗事例2:外部人材まかせで現場から反発(大手製造業B社)
大手製造業B社では、修理業務プロセスの変革に伴い、修理業務システム刷新を行うことにしました。大手コンサルティング企業が中心となり、あるべき姿を描くところから、新たな業務プロセスの検討、システム構築まで、一気に進めていきました。そして、いざテスト運用を開始してみたところ、今までとのプロセスの違いに、修理業務を担う現場から猛反発が起きたのです。外部コンサル企業は、現場との関係構築ができていなかったため反発を抑えることができず、結局新システムの運用開始は見送られることとなりました。解決策:社内メンバーを中心に構成する
「あるべき姿」を浸透させるために外部からチェンジマネジメントの専門チームに入ってもらうことは有用です。一方で、外部メンバーで構成されたチームは、社内のステークホルダーとの関係性が十分できておらず、組織問題を含めたさまざまな課題に対応していくことが難しいのが実情です。そこで、大きな変革を伴うプロジェクトでは、社内メンバーも含めてチームを構築し、プロジェクトマネジメントと連携して進めることをオススメします。社内メンバーがいれば、システム導入プロジェクト終了後の定着に向けた継続フォローや、定着化のためのナレッジの蓄積も可能となります。
図2にプロジェクトマネジメントチームとチェンジマネジメントチームのよくある関係性を図示しました。チェンジマネジメントの難易度(変革の影響を受ける範囲、変革の規模を軸に診断)やチームに割ける人数などから、一番組織にとって馴染みやすい体制を検討してみましょう。