政治

2023.06.21

ロシア軍が旧式戦車でウクライナ軍陣地へ特攻、爆薬を詰め込み遠隔操作で

Getty Images

旧式戦車の使い道の1つだ。

ウクライナ南東部ドネツク州のマリンカ付近にいるロシア軍は6月18日までに、70年前のT54またはT55とみられる戦車に爆薬を詰め、簡単な無線リモコンで操作してウクライナ陣地に送り込んだ。

車両運搬式即席爆発装置(VBIED)はそれほど遠くへは行けなかった。地雷にぶつかり、その後、ウクライナ軍の対戦車ミサイルが命中したようで、煙と破片が巻き上がる中で姿を消した。

VBIED攻撃未遂は、ロシアがウクライナに本格侵攻してから16カ月が経過し、ロシア軍の絶望感が増していることを物語っている。

ロシア軍ではこれまでに何万人もの優秀な兵士が死傷し、1万両を下らない装甲車両を失っている。ロシアの冬の攻撃は失敗だった。数千人もの兵士の命を犠牲にして、ロシア軍と同盟の連隊はウクライナ東部ドンバス地方のバフムートの廃墟をようやく制圧した。

だが、この割に合わない勝利によってロシア軍は、ウクライナ軍が以前から予期していた反転攻勢に向けて、南部と東部の防衛ラインの強化に充てるべきだった兵士と装備を消費した。

ウクライナ軍の反攻は6月4日夜に始まった。西側諸国が供与した戦車や戦闘車両で武装した旅団も含め、複数の旅団がザポリージャ州とドネツク州でいくつかの軸に沿って、またバフムートの側面で攻撃を仕かけた。ウクライナ軍は一部でゆっくりと前進し、ロシア軍が冬に占領したわずかな領土を着実に奪還している。

今回の反攻のずっと前からロシア軍では近代的な武器が不足していた。今、その不足に拍車がかかっている。長期保管されている戦車や戦闘車両に目を向け、ヘリコプターから拝借したロケット弾ポッドで武装した車輪付き装甲兵員輸送車BTRなど、既存の車両にますます奇妙な改造を施している。
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翻訳=溝口慈子

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