暮らし

2023.06.25 18:00

茶人と教育者が語りあう、「哲学する人間」を育てる重要性

茶道には軸になるものが凝縮されています。生徒や親にも体験させ哲学の回復に役立てたい。

高濱正伸:自分のやりたいことがわからない大人が増えています。偏差値の高い学校や大企業に入ることが偉いと思い込んだり、優秀かどうかだけを価値基準にしたりしているうちに、自分を見失ってしまうのかもしれません。私たち花まる学習会が目指すのは、自立した「メシが食える大人」を育てること。他者と比較したり人の目を気にしたりせず、自分の道を楽しみ人生を満喫できる人間です。そのためには「思考力」「国語力」「野外体験」が不可欠。親の意識を変える講演活動にも力を入れています。

日本はノーベル賞の受賞者も多く、茶道や華道、武道などの「道(どう)もの」と呼ばれる奥深く高度な文化も根付いています。でも、いまの大人たちには哲学がない、自信もない、子どもたちのしつけ方もわからない。そんな状況のなかで、結晶のように磨かれた美しい茶道の作法や人間を知り尽くした哲学は、よりどころになってくれると思うんです。
高濱正伸◎花まる学習会/こうゆう代表 1959年熊本県生まれ。東京大学卒、同大学院修了。93年、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「花まる学習会」を設立。花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会作問委員、日本棋院理事。

たかはま・まさのぶ◎花まる学習会/こうゆう代表 1959年熊本県生まれ。東京大学卒、同大学院修了。93年、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「花まる学習会」を設立。花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会作問委員、日本棋院理事。

ふたりの出会いの場はG1サミット。次世代を担うリーダー層が集い、日本再生のビジョンを描く場だ。

ふたりの出会いの場はG1サミット。次世代を担うリーダー層が集い、日本再生のビジョンを描く場だ。


山田さんは文化の継承者。家元として背負う歴史の重みが違います。なのに人柄はフランクで、そのギャップもいい。花まる学習会のお茶の水教室内に「市中の山居」を構えて、生徒やその親たちに、私たち日本人がもつ文化的財産や、これからの正すべき座標軸を教えていただきます。
高濱は茶道を通じて、履物の揃え方など、しつけの大切さも親子に訴えかけていきたいという。

高濱は茶道を通じて、履物の揃え方など、しつけの大切さも親子に訴えかけていきたいという。


「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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