宇宙

2023.06.01 14:00

NASA、次世代月面探査車の開発企業を募集

月面を走行するNASAの次世代月面探査車の想像図(NASA)

探査車に求められるもの

NASAは、次世代LTVがアポロ15、16、17号ミッションで使用されたものを超え、95%が未踏の領域である月面の探索に役立つことを期待している。
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NASAは新しい探査車の要件として、アポロ計画で使われた月面ローバーと無人火星探査ローバーを合わせたような機能を有し、宇宙飛行士による月面歩行や探査を支援するだけでなく、火星探査車の「パーシビアランス」や「キュリオシティ」のように無人運転もできる必要があるとしている。

任務の1つは、複数の有人着陸地点の間で貨物や科学機器を輸送することだ。ほかに、資源探鉱(月の南極で太陽光を浴びたことのない日陰部分で水を探す)も行う予定だ。

月のどの部分でも、常に課題となるのが暗闇だ。月では夜が2週間続き、表面温度は氷点下170度まで下がる。一方、2週間続く昼間には表面温度が110度に達する。

候補企業

米国には、NASAの月面探査車を開発できる候補企業がたくさんある。
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2021年5月、宇宙産業の古参ロッキード・マーティンとゼネラルモーターズ(GM)は、ローバーの設計・製造を行う共同プロジェクトの立ち上げを発表した。カリフォルニア拠点のスタートアップ、Astrolab(アストロラボ)は2022年3月、コンテナ輸送にヒントを得たモジュラー貨物システムを採用した乗用車サイズのローバー「FLEX」を開発中だと発表した。

アラバマ州ハンツビルに本社を置くTeledyne Brown Engineering(テレダイン・ブラウン・エンジニアリング)は2022年4月、Sierra Space(シエラ・スペース)と北米日産と共に、月面バギーの開発に着手したことを発表した。テレダインは、キュリオシティとパーシビアランスの両方に動力システムを供給した企業だ。

LTVシステム契約の提案申請期限は7月10日、発注先の決定は11月に予定されている。

月探査を夢見る国は米国だけではない。香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、中国空間技術研究院は、通常の2人乗り月面探査車の背面に装着可能な重さ40kgの4輪バギー「Cubic Emergency Lunar Vehicle of China(CELV)」を開発している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

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