健康

2023.05.27

「燃え尽き症候群」の症状改善、カギは休日の過ごし方

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世界中の人々が「燃え尽き症候群」に悩まされている。こうした人たちは、うつ病や不安障害、極度の疲労など、メンタルヘルスの問題も同時に抱えていることが多い。

燃え尽き症候群の症状の改善につながるのは、仕事における何らかの変化であることがわかっている。だが、より大幅な回復につながるのは、仕事以外の活動だという。

症状を和らげ、エネルギーレベルを高めるのに役立つ方法はいくつかあると考えられる。それは、ジャーナル「Applied Psychology Health and Well-Being」に掲載された「休日の過ごし方」に関する調査結果に示されていると言えそうだ。以下、燃え尽きからの回復に最も効果的と考えられる行動と、それぞれの特徴を紹介する。

1. 切り離す

デバイスの電源を切り、通知音をオフにして、メールやSNSのフィードをチェックしたい衝動も、抑えておこう。燃え尽き症候群の症状からの回復に大きく関わっているのは、身体的な活動だ。友人や家族といっしょにジョギングやハイキング、ビーチに行くことなどが効果的だと考えられている。

また、仕事や関係のあることは考えないようにすること。ビジネス書ではなく、フィクションを読むこと。また、仕事仲間以外の人たちといっしょに過ごすよう心掛けてみよう。

2. のんびりする

燃え尽き症候群から回復するためのもう1つの方法は、できるだけ「リラックスする」こと。セルフケアのために必要なものとして挙げられることが多いのは「のんびりする」「距離を置く」「1人になる」ことだ。

だが、あなた自身にとってのその方法は何か、考えてみてほしい。それは、読書かもしれない。友人たちといっしょに過ごすことや、住んでいる地域で進められているプロジェクトに力を貸すことかもしれない。何であれ、自分がリラックスして過ごせると思う方法で、時間を過ごしてみよう。

3. スキル磨き

燃え尽き症候群の特徴とされるのは、無力感にさいなまれることだ。そのため、自由に使える時間に自分の能力を高めたり、スキルを磨いたり、才能を花開かせるような何かをしてみることが、ウェルビーイング(心身ともに健康で幸福な状態)につながると考えられる。

何か得意なことをする時間を持つことで、自信を取り戻し、エネルギーレベルを高め、感情的な強さを持つことができるようになるはずだ。

4. コントロールする

燃え尽き症候群の人が持つ典型的な感情の1つが「身動きが取れない」というものだ。その感情には「成長の機会がない」「キャリアの今後について、自分ではどうすることもできない」という思いも含まれるだろう。

そのため、燃え尽き症候群から抜け出すための効果的な方法は、何かを「自分でコントロールする」ことだ。参加している読書会で、その月に読む本をあなたが選ぶなど、小さなことでいい。意義を感じられるもの、一体感を持てるものは何か、考えてみよう。
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編集=木内涼子

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