産・育休中の「リスキリング」に働く女性の4割が意欲

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時代の変化に対応するため、仕事で必要な新しい知識やスキルを学ぶ「リスキリング」。2022年10月には、岸田首相がリスキリング支援に5年で1兆円を投じると表明して注目を集め、今年1月には育児休業中の人らのリスキリングを支援する考えを表明したことで批判を受けたが、最近その言葉自体は世間に広まりつつある。

では働く女性たちは今、リスキリングをどのように捉え、取り組んでいるのだろうか。女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」は4月13日〜23日、働く女性617名を対象にした調査を実施。リスキリングへの意識や経験、さらには産・育休中のリスキリングへの意欲などを調べた結果を発表した。

まず、リスキリングの必要性を感じるかを尋ねたところ、最多が「かなり感じる」で45.2%。次いで「やや感じる」(43.3%)となり、合わせて約9割がリスキリングの必要性を感じていることが分かった。その理由として最も多かったのは、「仕事の幅を広げるため」で72%。2位に「自分の市場価値を高めるため」(61.1%)、3位に「自分がスキル不足だと感じるから」(58.3%)が続いた。

リスキリングの必要性を感じるか

また、実際にどんなリスキングに取り組んだことがあるのかについては、1位「PC基礎」(40.1%)、2位「語学」(27.9%)、3位「財務・経理」(23.1%)の順に。リスキリングに取り組んだ結果、どんな変化があったかについては、最多が「とくに変わらない」(34%)だったが、2位に「仕事の幅が広がった」(28%)、3位には「仕事のモチベーションが上がった」(25.6%)が入り、ポジティブな変化をあげた人も目立った。

実際どんなリスキリングに取り組んだことあるか

リスキリングに取り組んだ結果、どんな変化があったか

今後、取り組んでみたいリスキリングについては、1位「語学」(38.5%)、2位「Webデザイン」(36.4%)、3位「PC基礎」(35.3%)、4位「プログラミング」(29.5%)という結果に。1位を除き、上位はIT関連のスキルで占められた。

今後、取り組んでみたいリスキリング

さらに、産休・育休中のリスキリングは可能だと思うかを質問すると、全体で最も多かったのは「可能だと思わない」で37.1%。子供を持つ人に対象を絞ると、その割合は45.9%まで上昇した。

産・育休中のリスキリングは可能だと思うか

一方で、産休・育休中にリスキリングに取り組みたいかについては、「思う(取り組んだことはないが、機会があれば取り組みたい)」が最多で4割近く(36.8%)を占め、「思う(実際に取り組んだ)」(8.1%)と合計で約45%に。「思わない」(22.9%)の2倍に上り、産休・育休中のリスキリングに前向きな姿勢を見せる人が少なくなかった。

産・育休中に、リスキリングに取り組みたいか

他にも、リスキリングにかけていい費用は月あたり「7001~10000円」(27.6%)が最も多く、平均は6797円。リスキリングにかけていい週あたりの時間は「1~3時間未満」(36.5%)が最多で、平均3.4時間だった。

「女の転職type」の小林佳代子 編集長は、調査結果から仕事の幅を広げるため、自分の市場価値を高めるため、学び直しの必要性を強く感じている女性が多いことが分かったと説明。

さらに、同転職サイトで今年、女性のITエンジニアデビューを支援する無料のJava研修企画を実施したところ、想定を上回るエントリーがあり、すぐに枠が埋まったことに触れ、「スキルを身につけることは長く安心して働くことにつながります。ぜひこうした機会や手軽にチャレンジできるオンライン講座などを利用して、新しい一歩を踏み出していただきたいですね」とコメント。働く女性達の背中を押した。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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