ウクライナ軍の無人システム軍は1月31日、噂されていたこのドローンの存在を認めた。
ソーシャルメディアへの投稿で「無人システム軍の作戦行動が国内外の情報源の注目を集めている」と前置きしたうえで、「無人システム軍司令部は、250kgの航空爆弾を搭載して最大2000km航続可能で、帰還能力も備えた長距離無人機が使用されていることを確認する。これは戦場のゲームのルールを変える比類のない開発だ」と表明した。
このドローンの正体は不明だが、数少ない関連画像から軽量スポーツ機タイプと推測される。ウクライナはかねて、自国メーカーのアエロプラクト社が手がけるプロペラ推進のA-22フォックスバット超軽量機を遠隔操縦式に改造して運用してきた(編集注:軽飛行機型やそれに似た形状のものは、ほかにスカイレンジャーシリーズの改造型や、国産のE-300エンタープライズ、D-80ディスカバリーが知られている)。一部は胴体底部にパイロンが取り付けられていて、そこに爆弾を装着する。
しかし、これまで映像では、こうしたタイプのドローンは低速の巡航ミサイルのように目標に突っ込んで爆発する片道任務の様子しか知られていなかった。無人システム軍が確認したドローンは、爆弾を投下してから基地に帰還できる。つまり、消耗したり墜落したり、あるいは撃墜されたりするまで、数回もしくはそれ以上の任務飛行をこなせるということだ。
航続距離がかなり長いドローンを再利用可能にすることで、ウクライナはロシア国内の目標に対する縦深打撃の回数や頻度を増やせる可能性がある。ウクライナのドローンは最近も爆撃機関連設備や石油施設などへの攻撃を繰り返している。こうした攻撃はロシア軍機によるウクライナの都市への爆撃にかかるコストをかさませたり、歳入の多くをエネルギー輸出に頼るロシアの石油生産を押し下げたりする効果が見込まれる。