経営・戦略

2023.05.22 09:00

電気料金値上げの「なぜ」を解説。メディアに引っ張りだこになった理由

RAUL代表の江田健二氏

そして、最後は 電力プランの見直しだ。「以前から契約している」という理由だけではなく、自分に最も適した電力プランを選ぶべきだという。
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「2016年のいわゆる『電力自由化』以降、個性的な電力プランがいくつも登場しています。ですから、現在契約している電力会社、あるいは別の会社で、より魅力的なプランがある可能性があります」

例えば、昼間に多く電気を使う家庭であれば、昼間の電気が安いプランなどを選ぶと電気代の削減につながる。通信料金とのセットプラン、あるいはガソリンやケーブルテレビの利用料金とセットで割引を行っているプランなど、ユニークなものが出てきている。「生活費全体」を睨みながら、効果的なプランを選ぶことが大切だ。

「求められる立ち位置」を取りに行く

今や「電力問題のエキスパート」として、メディアに「引っ張りだこ」となっている江田氏。専門家がメディアに注目されるようになるきっかけとは、どのようなものだったのだろうか。

「きっかけは、2015年に出した本です。2016年に電力自由化となり、メディアの方々が私の本に辿り着いたようです。この時期はテレビ、新聞、週刊誌など10を超えるメディアに出演しました」
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出版を機に、メディアでも専門家と認知され、取材依頼が舞い込むようになるというケースは多い。「番組に出演してもらう専門家探し」の経験もある筆者から見ると、江田氏の経歴の「安心感」も見逃せない。

慶應義塾大学経済学部卒業後、アクセンチュアに入社。エネルギー業界を担当し、電力会社の業務改善といった経営支援を行い、現在は独立。電力問題を中心としたコンサルティング会社を経営している。まさに制作者側が「メディアに出てもらっても、安心できる経歴」なのだ。

もうひとつ重要なポイントは、江田氏が中立的な立場からコメントできる点だ。いくら電力問題に詳しくても、あまりに電力会社側に寄った発言、あるいは反対に「活動家」のような発言を繰り返す「専門家」をマスメディアは呼びにくい。あくまで「生活者の目線」から解説できる専門家が重宝される。

加えて、自分自身を客観視し、「求められる立ち位置」を取りに行ったことも大きいようだ。
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文=下矢一良

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