電気料金値上げの「なぜ」を解説。メディアに引っ張りだこになった理由

RAUL代表の江田健二氏

江田氏は「地域により発電方法が異なるからだ」と解説する。また、海外から仕入れる燃料の契約状況も異なるため、値上げ幅の差が生じる。

「『原発が稼働している地域では値上げ幅が抑えられている』との見方もありますが、原発の発電コストは明らかにされていないこともあり、一概に『原発が稼働しているから値上げ幅が抑えられている』とは言いづらい状況にあります。また、今回、家庭用では値上げを申請していない地域でも、法人向けのプランでは大幅に値上げしている事例もあります」

価格上昇の流れは、いつまで続く?

昨年から断続的に続いている電力料金の値上げ。この価格上昇の流れは、いつまで続くのだろうか。

「電気代、ガス代の値上げは今回の値上げで『打ち止め』となりそうにはありません。現在、世界中で資源の獲得競争が起こっています。この状況が続く限り、燃料として石油、石炭、LNGを利用する日本の電気、ガスの値段が下がることは当面、考えにくいからです」

では、私たちはどのように備えるべきなのだろうか。江田氏は専門家の観点から、3段階の対応策を挙げる。まずは自宅の電気利用状況の確認から取り組んで欲しいという。

「自宅の電気利用状況は、契約している電力会社の会員ページなどから確認できます。電力会社によって異なりますが、多くの電力会社の会員ページでは毎日30分単位で細かく確認できます。自宅で電気を多く利用する時間帯や曜日などを把握することが大切です」

次に、電気利用状況に基づいて無駄に利用している家電製品などを把握し、無理のない節電に取り組む。
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文=下矢一良

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