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2023.05.09

AI時代、人とビジネスの未来は「身体化」への欲求がヒントになる

AIは信じられないような知能を発達させるかもしれないが、決して身体化されることはない(Getty Images)

過去数十年間で、ウェルネスに使われるお金が大幅に増加している。これには、エクササイズクラスやPeloton(ペロトン)に代表される器具、ヨガやスピリチュアルリトリート、ジュースやケトダイエットなどのあらゆるダイエットトレンドが含まれている。Global Wellness Institute(国際ウェルネス協会)の報告によれば、世界のウェルネス産業は2012年の2.5兆ドル(約335兆円)から2018年にかけて年率6.4%で成長し、今では4.5兆ドル(約603兆円)に達している。これは、世界全体の経済成長の2倍以上の速さだ。

私たちの身体は贈り物だ。私たちの身体は、感情や喜び、痛みを経験するためのものだ(Getty Images)

私たちの身体は贈り物で、感情や喜び、痛みを経験するためにある(Getty Images)

この消費の中には、不老不死を求める脳内欲求に純粋に起因しているものもある。しかし同時に、私たちの最も人間らしい部分、つまり「私たちの身体」をより完全に受け入れることにもつながっている。

すでにそのトレンドが見え始めている。人々はSNSをやめて、目の前の瞬間にもっと集中するようになり、後で共有するためにその瞬間を記録することにこだわらなくなりつつある。若者たちはスマートフォンを手放し、代わりに本を読んだり公園でおしゃべりしたりすることを選んだ。エロティックなおもちゃや、中年女性向けのポールダンス教室、その他の性的探求も流行中で、ウェルネスリトリートの人気も急上昇している。

機械が私たちに代わって考えてくれるようになればなるほど、自身の身体と触れ合うことへの欲求はますます高まることだろう。そして、お互いに間近で、直接触れ合いたいと思うようになる。私たちは自然と深くつながり、実在の人間と家族の絆や友情を育み、自らの身体の中で生きるために、テクノロジー、メタバース、機械生成の知性から逃れる方法を模索するだろう。確かな手応えを求めて。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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