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2023.05.07

AIで強化される職場の未来、識者が予測する3つのシナリオ

Getty Images

人工知能(AI)、とりわけジェネレーティブ(生成)AIは、ビジネスにおける創造性やイノベーションを加速させるだろうか、それとも妨げるのだろうか。確かなことは誰にもわからないが、業界関係者たちは、今後起こりうるシナリオを推測している。

AIは人間の創造性を抹殺あるいは著しく阻害するという認識が世間に広まっている一方で、多くの人々は、生活のなかでジェネレーティブAIを積極的に使用している。ビジネスパーソン向け匿名ソーシャルネットワーク「フィッシュボウル」が行った最近の調査によると、こうした社員の43%は、ChatGPTなどのAIツールを、上司の指示や認識もなしに業務関連タスクに使用した経験があると回答した。

つまり、ビジネス環境でのAIやジェネレーティブAIの使用に関しては、推進と抑制の両方の力が働いている。一般社員や幹部にとって、とてつもなく有能なアシスタントになる可能性もあれば、その仕事を奪う可能性もある。

AIはクリエイティブになれるだろうか。AIは、人間よりも大きなイノベーションを起こせるだろうか。

従来の考えでは、クリエイターやイノベーターとしての能力に関するかぎり、常に人間に分があるはずだった。しかし、デビッド・デクレマー、ニコラ・モリーニ・ビアンジーノ、ベン・フォークは、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論考で、「ChatGPTやMidjourneyといったジェネレーティブAIの実用化は、こうした特別な地位を脅かしつつあり、フリーランスか社員かを問わず、クリエイティブな仕事に激変をもたらそうとしている」と述べている。

「新たなジェネレーティブAIモデルは、膨大なデータセットとユーザーフィードバックから学習し、テキスト、画像、音声およびこれらの組み合わせからなる新たなコンテンツを生み出すことができる。そのため、コンテンツの提供に特化した業務(執筆、画像作成、コーディング、その他の膨大な知識と情報を必要とする業務)が、いまやジェネレーティブAIの特異的な影響下にあるようだ。ただし、その影響が具体的にどのような結果をもたらすかは明確ではない」

デクレマーらはこの論考で、AIがクリエイティブ業務にもたらす影響の可能性として、次の3つのシナリオを提示している。
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翻訳=的場知之/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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