オーストリア、ヴァッハウ渓谷の文化的景観
オーストリア産ワインの愛好家は、ヴァッハウにこだわる。微小気候が形成された段々畑で栽培されるブドウから作られており、素晴らしいシングルヴィンヤード(一つの畑で収穫された単一品種のみの)ワインだ。「ヴァッハウ渓谷は、メルクとクレスムのあいだに位置する、ドナウ川流域の景勝地だ」と、世界遺産公式サイトでは説明されている。「ヴァッハウ渓谷では、建築(修道院、城郭、遺跡)、都市計画(町村)、耕作地(おもにブドウ畑)など、先史時代以降、人類が繰り返してきた営みと進化の足跡が良好な状態で保たれている」
仏シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷
フランスの壮麗なシャトーと言われて思い浮かぶ場所を一つ挙げるならば、数々の名城が現存するロワール渓谷だろう。先祖代々受け継がれてきた美しい建築物は、世界に並ぶものがない。
世界遺産公式サイトでは、こう説明されている。「ロワール渓谷は、華麗な美しさを誇る、素晴らしい文化的景観だ。そこには、長い歴史をもつ町や村、偉大な建築物(シャトー)、人と自然、そしてロワール川が何百年にもわたって相互作用しながら形成してきた耕作地がある」
イタリア、ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレ及び小島群(パルマリア、ティーノ及びティネット島)
イタリア北部に位置するこの世界遺産は、同国でも最も写真映えのする場所の一つだ。このリグーリア州の土地と島々には、ダイヤモンドのように輝く海と、息をのむような断崖がある(登ろうとすれば、息をのむどころか息が切れる)。「チンクエ・テッレからポルトヴェーネレまでの海岸線は、絶景と文化的価値をもつ文化的景観である」と、世界遺産公式サイトでは説明されている。「起伏のある急峻な地形という不利な条件を克服して、重なるように形成された小さな町々とその周辺の景観には、ここに暮らす人々が1000年にわたって脈々と積み重ねてきた歴史が凝縮されている」
(forbes.com 原文)