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2022.10.22

ワインとヨガを組み合わせた米国発「マインドフルワイン」が仏、伊でも人気

Getty Images

キアラ・シャノンはブドウ畑でのヨガとワインによるマインドフルネスを含む運動の先駆者の1人だ。シャノンはカリフォルニア大学バークレー校で学士号を取得するときにこの2つの情熱を育んだが、何年もの間、この2つの情熱を分けて考えていた。日中と夜間はソムリエとワイン販売のエキスパートとしてのキャリアを追求し、オフタイムにのみヨガ、瞑想、マインドフルネスを実践していた。しかし、職場での珍しい体験から、ワインとヨガは有益な方法で一体化できることに気づき、2016年に自身の会社「Mindful Wine(マインドフルワイン)」を立ち上げた。

「サンフランシスコのK&L Wine Merchants(K&Lワインマーチャンツ)でワイン販売の仕事をしていたとき、ブラインドテイスティングをしていた」とシャノンは話す。「初めての経験だったが、マインドフルネスのテクニックを使って心を落ち着かせて感覚を研ぎ澄まし、ワインを正しく見分けてブラインドテイスティングに勝つことができた」

この経験がマインドフルネスとワイン、そしてヨガを組み合わせて事業化することを「思いつく」きっかけになった。そこで、ソムリエとヨガインストラクターの資格を取得していたシャノンは、ヨガとワインのワークショップを開催しようとカリフォルニア中のさまざまなワイナリーと協業し始めた。新型コロナウイルス感染症の流行の間はオンライン化を余儀なくされたものの、現在、シャノンのビジネスは好調だ。

「パンデミックでしばらくの間、ワイナリーでの対面式イベントは中止になった。だが、オンラインでマインドフルネスと企業とのワインテイスティングを提供することができ、最終的にはヨガクラスをワイナリー内から外のブドウ畑に移動させた。マインドフルネスは人々が健康的にワインに関わることを手助けすることができる」とシャノンは話す。

マインドフルネスへのフォーカスをワインのテイスティングに活用


難しいヨガの動きをしながらワインを飲むというアイデアを聞くと、最初は心配に思えるが、プロが提供する体験はそのように構成されているわけではない。「ヨガクラスの前にワインを飲むことはない。ワインはいつもヨガの後」とシャノンは説明する。

普通、ほとんどの体験は歓迎の挨拶から始まり、その後、ブドウ園やワイナリーでヨガのクラスが行われる。クラスで参加者はヨガが単なる運動ではなく、神経系を落ち着かせ、五感を活性化し、今この瞬間の気づきを養うための古くからあるテクニックであることを学ぶ。クラス終了後はこのマインドフルネスへのフォーカスをワインのテイスティングに活用する。
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翻訳=溝口慈子

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