多くの場合、国内最大の港や空港があり、最も便利で行きやすいのは首都。旅行者向けの情報が最も豊富で、最も良いガイドブックがあるのも首都だ。そして、その国の最も印象的な都市は首都であることが多い。これに異論を唱える人は、そうはいないだろう。
だが、実のところ、必ずしもそうとは言えない可能性がある。首都がその国の歴史や人々、文化や魅力を反映した都市ではない場合も多いからだ。
そこで、英最大規模のホテルブランドであるPremier Inn(プレミアイン)は、89カ国の420都市について調査を実施。Google(グーグル)の検索データの分析結果から、各国の首都に代わる「オルタナティブ・キャピタル(第2の首都)」を明らかにした。
以下、第2の首都の一部を地域別に紹介する。
欧州
マラガ:まず名前が挙がったのは、スペインのマラガ。首都マドリードはすでに、より人気のある海沿いの都市、バルセロナの陰に隠れているが、それでも「第2の首都」に選ばれたのは、そのバルセロナではなかった。観光客であふれかえっていることが、広く知られているためだろう。遠方からスペインを訪れる人々を魅了しているのは、マラガの美しいビーチと、アルカサバやヒブラルファロ城といった、あまりお金をかけずに楽しむことができる「アトラクション」ピカソの生誕地でもあるアンダルシア地方のこの街を訪れれば、世界中の人々の目が向けられる理由が、すぐにわかるだろう。
ブライトン:欧州のもう1つのオルタナティブ・キャピタルは、英南部のブライトン。ここで必ず訪れたいのは、歴史的なロイヤル・パビリオンと、ブライトン桟橋だ。
そのほか、ドイツのミュンヘン、フランスのリヨン、ギリシャのテッサロニキなどが、それぞれの国の第2の首都となっている。
アジア
アンタルヤ:アジアの第2の首都のトップは、エーゲ海に面するトルコのアンタルヤ。息をのむようなターコイズブルーの海が目の前に広がる、魅力的なターコイズコーストにある。アンタルヤはまた、国内最長のロングトレイル、リキアンウェイがあることでも知られている。
そのほかアジアでは、大阪、中国の深圳、インドのチェンナイなどの都市の名が挙げられている。
北米
サンフランシスコ:北米で最も多く検索されている第2の首都は、サンフランシスコ。ゴールデンゲート・ブリッジやアルカトラズ島などが有名だ。バンクーバー:世界で最も長い海沿いの遊歩道があるカナダのバンクーバーは、多く人でにぎわう首都のオタワに代わる都市として、観光客に人気が高い。
モンテレイ:世界最大級の都市、メキシコシティが首都のメキシコ。オルタナティブ・キャピタルとなったのは、モンテレイだ。
南米
リオデジャネイロ:外国人の多くが首都を勘違いしている国の1つが、ブラジル。首都はブラジリアだ。リオデジャネイロは、黄金のビーチ、いつまでも輝き続ける太陽、人工の、そして自然の驚異で知られる。もちろん、リオのカーニバルでも。メンドーサ:アルゼンチンの第2の首都は、メンドーサ。国内最大のワインの産地、クージョ地方の中心地であることが理由の1つだろう。
アフリカ
カサブランカ:モロッコの第2の首都は、最大都市のカサブランカ。首都はラバト。ハルガダ:エジプトでは、全長約40kmの海岸線があるハルガダが人気の都市。世界有数のダイビングスポットとしても知られている。
ダーバン:南アフリカではダーバンの美しさが、首都プレトリアに代わる都市として人気を集めている。
(forbes.com 原文)