最大の稼ぎ頭であるスロットマシンは、総収益の半分以上にあたる年間342億ドル(約4兆6000億円)を稼ぎ出し、2021年から5.1%増加した。2位のテーブルゲームの収益は前年比13.9%増の100億ドル(約1兆3000億円)だった。
さらに、スポーツベッティングの収益は、前年比72.7%増という驚異的な伸びを記録し、75億ドル(約1兆円)に達した。米国人が年間を通じてスポーツイベントに投じた掛け金の総額は932億ドル(約12兆5000億円)に達した。
一方、スマートフォンで従来のカジノのゲームを楽しむ急成長中のモバイル賭博(iGaming)も、6つの州のみで合法化されているにもかかわらず、50億ドル(約6700億円)強の収益を上げ、前年比35.2%の伸びだった。
2022年の商業ゲーミングの総収益は604億ドル(約8兆1000億円)で、2021年の530億ドル(約7兆1000億円)から約14%の増加となった。
AGAは、米国人が違法なギャンブルに手を出さなくなったことが収益の増加につながったと考えている。しかし、今もなお違法なギャンブルへの支出額は年間5000億ドル(約66兆9000億円)以上と推定され、カジノの収益と各州の税収入に、それぞれ440億ドル(約5兆9000億円)と133億ドル(約1兆8000億円)の機会損失を与えていると試算されている。
AGAのビル・ミラー会長は声明で「我々は違法市場との戦いに引き続き注力する」と述べた。
12日に開催された第57回スーパーボウルには、推定160億ドル(約2兆1000億円)の掛け金が投じられ、1回のイベントとしては過去最大のスポーツベッティングの掛け金額を記録した。CNBCによると、この週末だけで約1億件のスポーツ賭博の取引が行われたという。
米国では過去数年間、合法的なギャンブルの選択肢が大幅に拡大しており、多くの州のリーダーは、ギャンブルを禁止すれば地下組織に税収入を横取りされると主張している。近年で最も大きな変化は、2018年5月に最高裁が、スポーツベッティングを事実上合法化したことだ。この判決により、33の州とコロンビア特別区において合法的なスポーツベッティングが可能になった。
一方で、ギャンブルの急速な合法化は、依存症の問題を引き起こす可能性が指摘されている。また、スポーツベッティングの合法化が、八百長試合の増加につながる懸念もある。
カトリック系の文芸誌『The Lamp』の編集者のマシュー・ワルサーは「米国人は今、最も視聴されているテレビ番組の放送中に、まやかしの広告で自分の金を賭けるように誘われている。それらのプラットフォームは、犯罪組織ではなくベンチャーキャピタルの資金で運営されている」と書いていた。
(forbes.com 原文)