国際ブドウ・ワイン機構(OIV)のパウ・ロカ事務局長は20日、フランス・パリで行った発表で、「今までにない数字だ」「輸出量は5%減となったが額は増えている」と説明した。
フランスに本部を置くOIVはワインの生産、消費、貿易に関する世界のデータを集める最大の組織だ。統計は毎年春に発表される。
輸出量の上位国
2022年にワイン輸出量が多かった国は、上から順にイタリア、スペイン、フランス、チリ、オーストラリアだった。だが輸出額ではフランスがトップで、前年から12.3%増加。これにはシャンパンやスパークリングワインの販売が大幅に増加したことが貢献した可能性がある。これらの輸出額は前年比で18%増えた一方、非発泡性ワインの輸出額増加率は7%だった。最大の消費国は米国、中国の消費は減少
消費量に関しては米国が世界1位を維持し、次いでフランス、イタリアとなっている。9位となった中国のワイン消費量は、いずれフランスを上回るとも予測されているが、ここ数年減少を続けている。中国を拠点とするワイン専門家で、ニュースレター「グレープ・ウォール・オブ・チャイナ」を出しているジム・ボイスは、最新の記事で次のような見解を示している。「ブドウ酒の生産量が前年比29%減の2億6800万リットルとなった悲惨な2021年に続き、2022年には貿易量がさらに減少して2億1400万リットルに落ち込んだ。これは2016年の11億リットルの5分の1以下だ」。
中国でワイン消費量が減少した理由は、平年より少ないブドウ収穫量に加え、新型コロナウイルス流行の影響や輸入の大幅減がある。ただ、こうした状況にもかかわらず、中国国内のワイン産業はまだ盛んなようだ。
「中国の国産ワインは着実に品質を高め、品評会での表彰や批評家からの称賛を集めている。また国産品への関心が高まっていて、消費者の注目も集めている」とボイスは述べている。