スタートアップで起きがちな「メンタル不調」 誰がケアをすべきか

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例えば、「夜間や週末は仕事のメールやSNSを避けて休養時間を確保する」「夜遅くまでスマホやゲームをせず適切な生活リズムを保つ」「上司に報連相をこまめに行う」など、各人の生活習慣・性格に合った具体的なセルフケアを考えてみてください。

私自身は、生後2カ月の娘と過ごす時間が何よりのリフレッシュになっています。育児は、思考が強制的に仕事から切り離されますし、娘と過ごす時間を確保するために以前よりも効率的に働こうという意識が高まりました。保育園への送り迎えの時間もリフレッシュの時間です。

仕事を自ら溜め込んでしまいがちな部下には、定期的に仕事の棚卸しをして優先順位の低い仕事を止める手伝いをしています。スタートアップ企業には挑戦したい人が多いのですが、自分の力量を把握し、適度に挑戦や成長ができる働き方ができると良いと思います。

具体的な方法論などについては、リンケージでも無料で学べる講座を提供しているので、そういった機会を案内するだけでも効果があると思います。
 
3. 気軽に相談できる場づくり(外部によるケア)
 
特にテレワークなども取り入れている企業では、気軽に相談できる環境づくりの重要さが増しています。
 
先ほど経営者自身の接し方が大切とお伝えしましたが、従業員の相談相手が経営者や上司だけである必要はありません。経営者や人事の皆さんのなかには、多くの相談を受け入れる余裕がない人も多いでしょうし、専門的な内容になるほど対応できるのだろうかという不安もあるでしょう。
 
リンケージでは、学校でいう「保健室」のような、気軽な相談場所を設けることを推奨しており、LINEで保健師に相談できるサービスを開発し、自社内でも導入しています。
 
明らかな不調でなくても、例えば「朝起きづらくなった」などという相談も受け付けますし、その理由を保健師が一緒に深掘りします。
 
一人ひとりにかかりつけ医ならぬ「かかりつけの相談先・保健師」といった存在がいて、医師にかかる前段階で気軽にコミュニケーションが取れると、予防が実現しやすくなります。
 
経営者を含め、働く人のメンタルヘルスケアは、パフォーマンスに直結し、事業を成長させるためにも重要なテーマです。
 
まずは意識から見直し、適切な対応を推し進めることが経営陣には求められています。
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文=夏目萌 編集=露原直人

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