働き方

2023.04.16 09:30

「最低限の仕事しかしない月曜日」は燃え尽き症候群を緩和するか

木村拓哉
ターナキーも同意見だ。「リモートワークやハイブリッドワークの文化の中では、月曜日の朝一番に(社内システムに)ログインしたらすぐ、山積みの仕事に全速力で取り掛からなければならないと思いがちだ。BMMを実践することは、『息抜きの日』を設けること。目立った変化をもたらす優先度の高い仕事に集中することで、雑音や不要なプレッシャーを取り除けるようになる。ストレスや燃え尽き症候群を抑制し、残りの1週間を通してメンタルヘルスを維持しやすい状態にできる」

実証データがほとんどないため、BMMがどの程度機能するかはまだわかっていない。だが、予測可能な日課や慣例は従業員の足を地につけ、メンタルヘルスの改善を助けるとリムは強調する。「1週間の日課がリラックスした状態から始まれば、より健康的なバランスが生まれ、燃え尽き症候群を撃退できるかもしれない」

「BMMとは、1日を乗り切るのに必要十分なことだけするというものだ。今はそれだけで精一杯な人もいる。心身の健康を守り、落ち着いた心と精神で、より生産的に1週間を過ごせるようにする方法なのだ」

厄介なのは、人それぞれでセルフケアのルーティンやメンタルヘルスに効果のある具体的な手順が異なるように、BMMも人それぞれで違って見える点だ。「常に柔軟性が重要だ」とターナキーは指摘する。「企業や管理職が週の初めにあまり躍起にならず、より焦点を絞ったアプローチを導入し、こうした取り組みを否定的に見るのではなく進んで受け入れることで、職場のメンタルヘルスに関する会話を1歩前進させられる」そうすることで、労働者が自分自身のウェルビーイングと仕事量のバランスを大事にしようと思うようになり、社内で働く人の満足度と生産性を高めることができるという。

「労働者がセルフケアと生産性のバランスを取るよう奨励されていると感じ、上司と協力する働き方を認識することが重要だ」とターナキーは結論付けた。「リーダーが押さえておくべき要点は、チームが必要なときにセルフケアに集中することを公然と認めることは、想定するよりも積極的に表明する必要があるかもしれないということだ」

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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