実際、池袋の中華のフードコートに友人といるとき、年配の日本人男性が入店してきたものの、各ブースに貼り出されたメニューの写真を一瞥しながら歩いた後、選ぶのを諦めてしまったのか、そのままその場所を後にするという光景を何度も見たことがある。
旅先でなら何が食べられるのかよくわからなくても、試しに入ってみようという冒険心もあるだろうが、ここは日本だ。近隣には和食やイタリアンの店もあるのだから、わざわざ「ガチ中華」を選ぶには、勢いハードルは高くなる。それを超えるための、なんらかの目的意識やモチベーションが必要とされるだろう。
最近、筆者は主宰する東京ディープチャイナ研究会のメンバーの学生や若いライターと一緒に「ガチ中華」の店を訪れることが多いのだが、好奇心にあふれ、何事に対しても先入観のない彼らと食事をともにするのは楽しい。若いということは、多くのことが未知の体験なので、知らないことをおそれる必要などないからだ。
次回は、そんな彼らとの食事会やフィールドワークを通じて得ることができた「ガチ中華」を楽しむための4つの心得について紹介したいと思う。