食&酒

2023.04.11

多様化するガチ中華。競争が生んだ「お粥のしゃぶしゃぶ」とは

母米粥はしゃぶしゃぶとお粥で2度楽しめる

中国語の素養や現地での経験のない人たちにとって、一度も口にしたことのない料理の写真や簡体字で書かれた料理名の羅列を見せられても、それがいったいどんな料理なのか、わかるはずもない。たとえ日本語で説明が書き添えられていたとしてもだ。

実際、池袋の中華のフードコートに友人といるとき、年配の日本人男性が入店してきたものの、各ブースに貼り出されたメニューの写真を一瞥しながら歩いた後、選ぶのを諦めてしまったのか、そのままその場所を後にするという光景を何度も見たことがある。

旅先でなら何が食べられるのかよくわからなくても、試しに入ってみようという冒険心もあるだろうが、ここは日本だ。近隣には和食やイタリアンの店もあるのだから、わざわざ「ガチ中華」を選ぶには、勢いハードルは高くなる。それを超えるための、なんらかの目的意識やモチベーションが必要とされるだろう。

最近、筆者は主宰する東京ディープチャイナ研究会のメンバーの学生や若いライターと一緒に「ガチ中華」の店を訪れることが多いのだが、好奇心にあふれ、何事に対しても先入観のない彼らと食事をともにするのは楽しい。若いということは、多くのことが未知の体験なので、知らないことをおそれる必要などないからだ。

次回は、そんな彼らとの食事会やフィールドワークを通じて得ることができた「ガチ中華」を楽しむための4つの心得について紹介したいと思う。

文=中村正人 写真=東京ディープチャイナ研究会

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