健康

2023.04.06

「ウェルビーイング」は流行りのバズワードなのか?

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国連は2012年より毎年、幸福度の国際ランキングを公表しています。調査手法として、主観的な幸福度を調べるため 「0」~「10」までの11段階のはしごをイメージし、自分自身の生活への評価が、いまどこにあるのかを判断するものです。

過去の研究を踏まえ、ウェルビーイングに影響を与える要因として以下の6要因が想定されています。

1. 一人当たり国内総生産(GDP)
2. 社会保障制度などの社会的支援
3. 健康寿命
4. 人生の自由度
5. 他者への寛容さ
6. 国への信頼度

この調査はアメリカの調査会社ギャッラップ社が、約150の国や地域において、約1000人/国・地域を対象におこない、結果をまとめています。

今年も3月20日の「国際幸福デー」(International Day of Happiness)に、国連からこのランキングが発表されました。フィンランドが6年連続で世界1位を獲得し、日本は昨年のランキングより7つ順位を上げて47位となったものの、今年も主要7カ国(G7)では最下位でした。G7各国の順位はカナダが13位、米国が15位、ドイツが16位、フランスが21位、英国が19位、イタリアが33位です。

まだまだ先進国の中では順位が決して高いとは言えない日本ですが、最近「ウェルビーイング」という概念がさまざまな場面で注目されることが増えてきました。日本政府は2021年度の成長戦略実行計画で、「一人一人の国民が結果的にウェルビーイングを実感できる社会の実現をめざす」とうたっています。

アカデミアの領域においても、2021年12月にウェルビーイング学会が立ち上がり、2022年10月より会員募集を開始し、ウェルビーイングレポートの発刊、ウェルビーイング指標のニュースリリースをするなどの活動を行っています。2023年3月5日には、第1回学術集会がオンラインにて開催されました。

また武蔵野大学(東京都)は、2024年4月に新学部「ウェルビーイング学部」を武蔵野キャンパスに開設する(設置構想中)と発表しました。日本初のウェルビーイング学部として、学部長には、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授を迎えます。

科学や技術の最先端の知見や成果も取り入れた学際的なアプローチによって、幸せ・生きがい・安心・福祉・健康・平和など、人々と世界のウェルビーイングをデザインし創造。幅広い学術領域の習得に加えて、自然・地域・企業・世界でのフィールド・スタディーズから得られた体験的知見と創造的実践力を統合させることで、ウェルビーイングデザイナーとしての人材を育成するとしています。
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