2023.04.02 15:00

オーロラを見るなら「北極列車」に乗るべき理由

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オーロラにはさまざまな呼び名がある。北極光やノーザン・ライツ、あるいはメリー・ダンサーズ(陽気な踊り手の妖精)といった別名だ。いずれにせよ、大半の人にとっては滅多に目にすることのできない、驚異的な自然現象だ。

オーロラは米国とカナダの国境付近や、英国、欧州の西部など、かなり南に下った地域でも時折発生することがある。ただし、たいていは肉眼では見えず、カメラでしかその光をとらえることができない。

実を言うと、北極圏まであと少しという北緯65度まで北上したとしても、目にできるオーロラは迫力に欠けることが多い。かすかに見てとれる程度であり、少しずつ色が変化する、白っぽい雲のようにしか思えないからだ。

人生が一変する体験とは言えないが、まあ、そんなものだ。しかし、運よく磁気嵐が起きて頭上の磁場が乱れれば、またとない見事な光景を目にできるかもしれない。

要するに、然るべき場所に、然るべきタイミングで居合わせる必要がある。そのために必要なのは、忍耐と運だ(さらに、オーロラを待つ間の厳しい寒さから手を守ってくれる、上等な手袋があると、大いに役に立つ)。

オーロラを見たい時は、北極圏まで行ってオーロラとは無関係のことをするのが一番だ。運に恵まれればオーロラが発生するかもしれないし、たとえ駄目だったとしても、完全な無駄足にはならない。

そこで提案したいのが、世界最高の列車の旅を満喫し、地球で最も北に位置するリゾートでスキーを楽しむことだ。

筆者は先ごろ、実際にそうした旅を体験した。北緯68度の北極圏内に位置するノルウェーの町ナルヴィクを起点に、スウェーデンのアビスコ国立公園を経て、夜行列車でスウェーデンの首都ストックホルムに移動し、ヴァーサ博物館で締めくくる旅だ。ヴァーサ博物館には、世界で唯一現存する17世紀に建造された木造戦列艦、ヴァーサ号が展示されている。

スキーとオーロラを楽しむ冒険の旅は、ナルヴィクから始まった。ナルヴィクは、第2次大戦中にヒトラーが初めて敗北を喫した戦いを描いたNetflix(ネットフリックス)オリジナル映画『ナルヴィク』で最近知られるようになった、ノルウェーの小さな町だ。

北緯68度25分に位置するこの町は、首都オスロから飛行機で2時間弱。そこから、歴史的にも有名なオーフォート鉄道に乗って、スウェーデンのスキーリゾート「ビヨルクリーデン」に移動し、数日過ごした後、夜行列車でストックホルムに向かった。

ナルヴィク戦争博物館は見応えがあって必見だ。町を見下ろすナルヴィクフィジェレット・スキー場からは、ナルヴィクの町並みと、その向こう側にあるフィヨルドの絶景が楽しめる。

ただ、ナルヴィクは光害で夜空が明るすぎるため、オーロラ鑑賞には適していない。夜間ツアーに参加すれば、町の郊外まで行ってオーロラを鑑賞することができる。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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