料金1700万円、スペースバルーンからオーロラを鑑賞するツアー

Space Perspectiveは2024年からツーリストを宇宙の果てに連れて行こうとしている(Space Perspective)

ジェフ・ベゾスのBlue Origin(ブルーオリジン)の宇宙船New Shepard(ニューシェパード)で宇宙の端まで行くことは(ベゾス自身が2021年に行った)、アドレナリンが駆け巡る体験かもしれないが、テキサス西部の砂漠にある発射場に対する宇宙旅行者の見る目が変わることはないだろう。Space Perspective(スペースバースペクティブ)は、自由に移動できる高高度気球にカプセルをぶら下げて打ち上げるという新しいアイデアを思いついた。これにより、乗客は見たい景色をどこからでも見ることができる。

準軌道宇宙旅行会社スペースパースペクティブは、海上宇宙船発射場を複数建設する計画を発表した。第1号はMS Voager(MSホイジャー)という名前になる。

現在、同社はツアーのチケットを販売している。所要時間は2時間で高度約10万フィート(約30.5キロメートル)に達し、価格は12万5000ドル(約1740万円)というなかなかのものだ。とはいえブルーオリジンやVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)が販売しているロケット旅行よりもずっと安い。しかし、これらのロケット旅行はより高い高度まで達する。

スペースパースペクティブは、これまでにチケットを1000枚以上販売している。

Voyage
スペースパースペクティブは世界初の有人宇宙飛行向け海上発射場を公開した(SPACE PERSPECTIVE)

「当社は、オーロラ、イタリアの長靴、ナイル川デルタの壮大なスケール、バハマ周辺の深く青い海といったすばらしい自然を宇宙から見る機会を提供することを常に考えてきました」とスペースパースペクティブの創業者で共同CEOのジェーン・ポインターはいう。

新たな移動式射場によって、打ち上げ場所の柔軟性が増し、乗客は好きなところへ上昇して暗黒の宇宙から地球の曲面を見ることができる。全世界が目的地になることから、世界の最も象徴的な地形の荘厳な景色を乗客に提供するつもりだとスペースパースペクティブは述べている。

Spaceship Neptune(スペースシップ・ネプチューン)と呼ばれる8人乗りの与圧されたカプセルは、大きな窓とWi-Fi、バーなどを備えている。旅は穏やかな着水で終了する。

Baloon
スペースパースペクティブは2023年早期にテスト飛行を予定している(SPACE PERSPECTIVE)

「スペースパースペクティブは、暗黒の宇宙から地球を見るという宇宙飛行士の典型的体験を提供することで人間と地球の関係を変えます」とポインターは述べ、同社がグローバルな視点でビジネスを考える必要があったことを付け加えた。「発射と着陸の地理的境界を取り除くことで、安全にかつ高い信頼性で地球への影響を最小限に抑えながら、この革新的体験を世界の市場で利用しやすくするという当社のミッションが加速されます」

フロリダ州スペースコーストのポート・カナベラルに格納されている全長約90メートルのMSボイジャーは、現在、発射、回収および「スペースバルーン」運用のための装備を整えているところだ。二酸化炭素排出量を減らすためにバイオ燃料を使用するように改修されている。テスト飛行は2023年早期に計画されており、商業運用は2024年の開始を予定している。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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