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2023.03.29 16:30

資金調達は仲間集め VC選定に「カルチャーフィット」が重要な理由

リチカ 代表取締役社長 兼 Co-CEO松尾幸治氏

リチカ 代表取締役社長 兼 Co-CEO松尾幸治氏

「Switch to The RICH. クリエイティブで、世界を豊かに。」をミッションに掲げ、動画マーケティングをサポートする「リチカ クラウドスタジオ」を提供するリチカ。2021年にはDIMENSIONを含め約8億円の資金調達も実施し、躍進を続けている。同社代表取締役社長 兼 Co-CEO松尾幸治氏に、起業家の素養、組織づくりなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの下平将人が聞いた。(全3話中2話)

第一話:1000人の経営者インタビューでわかった、起業家に必要な素養

ログイン画面もないサービスから「シェアNo.1」へ

──創業初期は受託事業をやりながら、あるタイミングでプロダクト事業に転換されました。その転機やプロダクトづくりのポイントをお聞かせください。

私たちの場合、「自分たちが困っていたこと」を解決するプロダクトを出したのがスタートです。

映像制作の仕事が増えていく一方で、SNS配信のニーズは細分化し、1本CMを作るのに数百万円予算がいただけていたものが「数十万円しか出せません、一週間で」というお話が増えてきた。

この現象を見たときに「広告制作業は二極化する」と思いました。すごくハイエンドなコンテンツと、ひたすらPDCAを回して消費されるコンテンツに分かれていくだろうと。

そして、後者の消費されるコンテンツを労働集約で続けてしまうと、ただの儲からないビジネスになってしまいます。これはシステムで解決した方が良い、という考えからプロダクトを作ったんです。

今から考えるとMVP(必要最低限の機能を備えた製品)は本当にひどくて、2カ月で作ったためログイン画面すらない(笑)。

それでもありがたいことにリリースがバズって、一週間で200件くらいお問合せがあり、自分たちと同じ課題を抱えている人が多くいることを感じた瞬間でした。

──そこから事業としてグロースしていく上で、ポイントだったことをお聞かせください。

PMF(プロダクト)までの道のりは険しかったです。

初期はテレビ局の人たちからの問い合わせが多かったんです。そしてログイン画面も無いようなプロダクトなのに、3カ月契約、月10万円とか出してくれるわけです。3カ月で30社、月商300万円くらいになったので「おーっ!」とメンバーで大喜びしました。

しかし喜んだのもつかの間、プロダクトのクオリティが足りないからと、3カ月でほとんどのお客様が解約していってしまいました。

そんななかで、たまたまご契約いただいた代理店の方から「これはWeb広告で便利だ」と言うお声がありました。なぜかと聞いたら「Web広告は1〜2週間で賞味期限が切れるから、作り続けないといけないし検証し続けないといけない。けれど、テレビCMほどクオリティが高い必要は無い」と。

そこからヒアリングを重ね、リリース半年後の時点で一気に広告代理店向けサービスに舵を切り、プロダクトを作っていきました。デジタル広告専用、というのを打ち出してからPMFし、一気にグロースすることができました。

おかげさまで、デジタル広告に特化した「運用型クリエイティブクラウド」としてシェアNo.1、累計2000社以上を支援しています。

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文=下平将人 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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