──松尾さんにとって起業家に重要な素養を3つ挙げるとしたら何でしょうか。
1つめは「ワクワクする力」、2つめは「やってみる力」、3つめは「やり続ける力」。言い換えるならば「好奇心・行動力・継続力」です。
起業家は本当に「ゼロイチ」をする人です。
そもそも、お客様のニーズや新しい課題など、色々なものに「好奇心」が無いとなかなかゼロから何かを生み出すことはできません。
「これってもっとこういう風になったらいいのに」「こういう体験っていいな」と常日頃「ワクワクする」ことができているか。これが起業家のベースなのかなと思います。
──昔から「好奇心」が強かったのでしょうか。
好奇心は強かったですね。むしろ困っているものや課題をくれ! と言うくらい(笑)。
出身が佐賀県で、その中でも一番小さい、何も無いような田舎町で生まれ育ちました。逆にいうと、土地はすごく安く使えたりする環境下で「なんかこれってこう使えたらいいのに」と思う機会が多かったように思います。
あとはコンフォートゾーンから外れたことによる成功体験を幼い頃にたくさん積めたことも、好奇心が強いことに影響していると思います。
小学生の時にコードを書いてホームページを作ってみたり、中学からバンドや音楽をやってみたり。それにより新しい気づきがあり、人から評価してもらえました。
コンフォートゾーンを外れれば成長できることに早いタイミングで気づけたのが、結果的に「ワクワクする力」に繋がっているように思います。
──行動力と継続力を維持するためにはエネルギーが必要だと思いますが、その源と思われる部分はなんでしょうか?
私の場合は「好奇心」こそがエネルギー源です。
難しい課題や何かトラブルがあった時も、「これって誰も解いたことがないんじゃないか」「この問いに答えられたら面白いことが起きる」とワクワクしますし、それが行動・継続に繋がっています。
“問題をずっと解き続けている感覚”なのだと思います。
1000人の経営哲学に触れて見えたこと
──好奇心は自分の中から沸いてくるものかと思いますが、逆に外的要因で意識している部分はありますか?少し前まではコロナでできませんでしたが、自分より凄い人たちに会い続けるのは改めて最近意識をしてやっています。
「自分の当たり前」にはいない人たち、スキルや価値観が全然違う人達と会い続けていくと知らない世界と出会えます。
──リチカ創業前に1000人の社長にインタビューをされたとお伺いしました。
そうですね。前職で「日本の社長.tv」という、中小企業の経営者の方々にインタビューして動画にまとめる仕事をしていて。たまたま22~23歳のタイミングで1000人ぐらいの社長さんとお話しました。
経営哲学について、社長とそんなに話す機会ってなかなか無いですよね。それによってすごく視座が上がり、社長ってこんな感じで物事を考えているんだというのがわかりました。
「ワクワクする力」をベースに、やってみる・やり続ける。これは私がさまざまな経営者とお会いした結果わかった、成功されている経営者に共通する素養だったように思います。