電動化が進んで、内装がガラッと変わった。例えば、EQSの内装。外観はイマイチと評したけど、内装は液晶を大胆に使って、新しい傾向になっている。でも、もう少し物理ボタンを残すべきではないか、という苦情も聞く。
wAtARuも、「メーターが液晶になったことで、これまでメータ類の上にあったフードがなくなっているところが大きな印象の違い。スクリーンが3枚も入るような長いパネルが流行っていますが、デザインは自由になっているのは視認性の面でもメリットだと思います。大きなフードが邪魔な物体ではあったので、それが消えたことでスッキリ感が出た。ガラケーがスマホになったみたいなイメージ。でも、おっしゃる通り、物理ボタンは少しあった方がいいと思いますね」と。
その通り。EQSも室内の幅いっぱいの液晶になっている、3面もついている! でも、物理ボタンもほとんどない。EQSには物理ボタンは2つしかない。スタートボタンとハザード。物理ボタンをもう少し残した方が人間は落ち着くし、より安全だと思う。
「確かに、ボタンが減っていくけど、BMWなどでも液晶を触った時に、振動の返し方でエアコンなどの調整ができる。だから、ボタンがなくても満足できる時が来ると思う。液晶を触って、いろんな振動が返ってきて、どこを押しているかがすぐ直感でわかれば、液晶でもいいなという時代がくるでしょう」とwAtARu。
なるほど。例えば、普通のガソリン車からEVに乗り換えると、ゼロからスイッチの使い方を勉強しなければならない。レイアウトも違うし、意味も違うし、使い方も違うし。オーナーにとって勉強する時間が必要だね。
最後に永遠に残すべきデザインを聞こう。
「これは好みの問題にはなるけど、『マクラーレンF1』は残してほしい。僕はマクラーレンというブランドが一番好き。2歳の時からこの車名を叫んでいたと両親が言っていました。そのF1は3人乗りで、運転席はど真ん中。デザインも綺麗にできているし、ドアの後ろにラゲージがある。利便性も高い。〈ゴードン・マレー〉のデザインで、ほかに似たスーパーカーはないと思う」と、wAtARu。
僕はワゴンなら、最近のボルボが綺麗にできていると思うし、セダンならアルファロメオ・ジュリアのプロポーションがいいと思う。また、スポーツカーだと、フェラーリ・ディーノのような超美しいデザインを残してほしい。やはり、好みを言えば、2人とも流線形でグラマラスで少し個性があるというのが、デザインとして素晴らしいという結果になったね。
カーメーカーに求めるのは、「航続距離と空力抵抗を優先するあまり、クルマの外観の美しいデザインを犠牲にしないでほしい」ということだ。
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