2023.03.12

ついにトヨタから迫力満点GRカローラが爆誕

トヨタ GRカローラ RZ

トヨタの豊田章男社長は、5年以上前に「つまらない車はもう作らない」という有名な宣言をした。2023年登場のGRカローラは、保守的な大企業から出された最も迫力があって、代表的な車両かもしれない。

先週、僕はGRカローラRZ仕様の走りを試してみたけど、正直なところ、感動した。GRカローラはつまらないクルマではなかった。

GRとは「Gazoo Racing」の略で、トヨタのグローバル・モータースポーツ部門に由来するものだ。GRは2007年、当時トヨタ副社長だった豊田章男氏をテストドライバーとする「アンダーグラウンド」な活動からスタートしたトヨタの公式レース活動である。その頃、彼は「モリゾウ」というニックネームを与えられ、GRヤリスから多くのハードウェアを共有した新型GRカローラのトップパフォーマンス仕様として、ウィンドーには「Morizo」が刻まれている。

過去を振り返れば、トヨタの主力車種では、これまでにもエッジの効いた外観デザインや、より高性能バージョンを数多く見てきた。セリカとスープラは良い例だ。しかし、最高出力304ps、全輪駆動、6速MT、0-100km/hは5.0秒以下、価格が525万円を誇るGRカローラは、今までトヨタが放ったものとはまったく違う。

10年前に、トヨタの最高のパフォーマンスカーはカローラだと言ったら「日本の自動車業界をまったくわかっていない」と言われただろう。世界一売れた手頃な値段のカローラは、大変身して今や燃えるように熱いハッチバックとなった。このGRカローラは、北米市場向けにトヨタのホットハッチを求める顧客の声に応えたものだという。



手の届くパフォーマンスカーへの道を求め、2012年には初代トヨタ86がデビュー。そして、2021年にその後継車としてGR86が誕生した。その2年前にはGRブランドを強化するために、さらにパワーを増したGRスープラが出てアメリカ市場を刺激していた。また、2020年には、欧州であらゆる賞を獲得したGRヤリスが日本でも話題になった。


次ページ > ブリスターはかっこ悪い?

ForbesBrandVoice

人気記事