アリアは、欧米でスタイリッシュとされ、走りも室内の装備や質感が高く評価されている。しかし、この旅は何よりも、アリアの特別な四輪駆動システム「e-4ORCE(イーフォース)」をアピールするためのテストと位置づけられる。
ラムジー仕様のアリアは、アルパインのエキスパートである〈アークティック・トラックス社〉によって、サスペンションを上げ、ホイールアーチを拡大するなどの改造が施される。装着されるタイヤは通常より大きく、より強く、より適切なボディプロテクションが、この旅で経験する極限状態にマッチするように設計されている。
日産アリア〈ラムジー仕様〉のイメージ
大口径の専用タイヤが印象的だ。
日産は、バッテリーや駆動システムはどのようにアップグレードするかについてはまだ発表していないが、2023年2月にこの特注のアリアが正式に発表されれば、もっと詳しくわかると思う。旅の主な目的は何だろう。電気自動車は寒冷地では航続距離が大幅に短くなり、性能も低下することが知られている。ラムジー家が走行中、どのようにアリアを充電して旅をするのか、興味深いところだ。
約12年前に発売されたリーフに続き、アリアSUVは日産にとって2台目の完全電気自動車モデル。価格は現在、最も安価な63kWhの前輪駆動車が$43190(約550万円)から、302hpのフル装備AWDモデルで87 kWhのe-4ORCEが$60190(約780万円)まで上昇している。(円換算1月27日現在)
コンパクトなバッテリーを床下に搭載し、ギアボックスや排気システムのスペースを確保する必要がないため、アリアにはセンタートンネルがない。そのため、床は完全にフラットになり、ガソリンエンジンのライバル車とは比較にならないほど室内が広くなっている。
足元がフラットな構造に。
電気モーター1基搭載のエントリーモデルは214hpを発揮し、最大航続距離400kmを実現するのに対し、ラムジー家が使用するのは389hpの4輪駆動モデル。「e-4ORCE」と呼ばれる電気モーター2基を搭載し、最大530 kmの航続距離を実現することが可能とされている。
E-4ORCE仕様には、フロントとリアに配分されるパワーの量を独立して制御できるトルクマネジメントシステムが使用されているので、どの路面でもトラクションが良い。僕は、昨年、アリアB6という2駆動の仕様に乗ってみたけど、その力強い走行性能と快適な乗り心地に感動した。