2023.03.15 12:30

他人のテスラで走り出す、持ち逃げと気づかぬまま

Patrick Pleul/picture alliance via Getty Images

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カナダ、バンクーバーのラジェッシュ・ランデヴは先週、駐車場でTesla(テスラ)に乗り込もうとした。彼がこのことを非難される筋合いはないはずだ。彼がロックを解除して乗り込み、走り去ったクルマは、自分のクルマと同じ色とメーカーだったからだ。アプリも見たところ、きちんと機能していたように見えた。

実際には2台のテスラが隣り合わせに駐車されていた。また彼も、子どもを学校へ迎えに行くために急いでいた。

ところが、彼は運転中にフロントガラスに見たこともないヒビが入っていることに気がついた。妻に電話して聞いてみたが、彼女は何も知らない。

さらに、車内の充電器がいつもと違う場所にあることにも気がついた。

10分後、彼は「ラジェッシュ、テスラに乗っていますか?」というテキストを受け取った。別のテキストでは、彼が間違ったテスラに乗ってしまっていると説明された。

ランデブはクルマを停めて外に出て、このテスラの車両が自分のものと違うのを確認した。そして、テキストの送り主に電話した。本件に関して両者ともに合理的で、友好的に対応した。ランデヴは再びクルマを発進させ、子どもを迎えに行き、彼が知らずに持ち逃げしてしまったクルマの持ち主の男にやっと会うことができた。

しかし、彼はどうしてこんなことになったのか、きちんと説明することができなかった。

「私たち2人とも笑っていて、私は警察にも電話しました」と彼はGlobal Newsに語った。「その警察は、私の報告は受け取ったが、何も起こらなかったのでファイル番号は与えられないものの、もし何か起こったら、知らせてくれれば調査すると言っていました」

では、このもう1人のテスラの持ち主は、どうやってランデブの電話番号を知ったのだろうか? 車内には彼の名前と番号が書かれた印刷物があったのだ。おそらく、ダッシュボードの中にあったのだろう。

私がこの原稿を書いている時点で、ランデブはテスラにメールと動画の両方を送って連絡をしているが、メールを送ることができない。問い合わせ用メールボックスがいっぱいということだ。

ランデヴは「彼のクルマが手元にあるのに、どうして間違って、他人のクルマを1時間半も運転できたのか、自分でも驚きました」とGlobal Newsに語っている。「私の家族はショックを受けていました」

しかし、ランデブの行動を笑う前に、他人のクルマに乗り込んでしまうという現象はよくあることだということを伝えておきたい。Google(グーグル)で検索できる統計はないが、私がブルックリンのある日の早朝、食料品店から出てきて、自分のだと思っていた新車のセダンに乗り込み、エンジンをかけようとしたときのことは、すぐに忘れることはないだろう。そのとき、私は立て続けに3つのことを考えていた。

なぜタバコの臭いがするのだろう? なぜ運転席のバイザーの上に郵便物の束が積んであるのか? なぜエンジンがかからないのだろう?

電球が切れて、私はそのクルマから「猫が目を瞬かせるよりも早く」降りた。もし、私がエンジンをかけて運転できていたら、私もおそらくランデヴと同じことをしていただろう。

それが初めての1回目だ。また、クルマのドアを開けてみたら、人が乗っていたということもあった。あなたもそんな経験はあるのではないだろうか? 幸いなことに、誰も怒ったりはしなかった。私はただ微笑み、深く謝り、非常に困惑した表情を浮かべながら、その場を立ち去っただけだ。

forbes.com 原文

翻訳=Akihito Mizukoshi

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