また、新型コロナによる死亡の検査と報告で各国は異なるプロセスを用いているため、死者数は必ずしも同じ基準に基づいているものではない。こうした課題を克服すべく、公衆衛生当局はパンデミックの影響の正確な測定で超過死亡数に注目してきた。
超過死亡数とは、危機が発生したときなど特定の期間において、平常時に予想される死亡数と集計された死亡数の差と定義されている。留意しなければならない大事な点は、新型コロナの超過死亡数は新型コロナウイルスに直接起因する死亡者数だけでなく、不可欠な医療サービスの中断といった間接的な影響もあることだ。
欧州連合(EU)の2022年のデータはまだまとまっていないが、わかっているのは、この地域のほとんどで超過死亡数が増え続けているということだ。新型コロナの感染の波と重なる超過死亡のピーク時の数は、2020年と2021年に比べてかなり少なくなっている。しかし、過剰死亡数は持続的に増えている。
新型コロナのパンデミックは現代では前例のない世界的な死者数の増加と平均寿命の縮小を招いた。歴史的には、1918〜20年のインフルエンザの流行や2度の世界大戦といった死亡者激増のショックから各国は概ね2年以内に回復してきた。よって、多くの国で間もなくパンデミック以前の平均寿命に戻ると予想できる。だが国によって回復能力は異なり、米国のようにパンデミック前から続いている健康面での基本的な傾向のために、一部の国は他の国よりも苦労する可能性が高い。
(forbes.com 原文)