各機関の意見
米国国立アレルギー・感染症研究所:同研究所は、同ウイルスは自然界が起源であり、未確認の動物宿主から人間へと伝染したとことを証拠が示していると発言し、コウモリを起源の可能性の1つに挙げた。かつて同研究所長を長く務めたアンソニー・ファウチ博士は、実験室からの漏洩に関しては公平な立場をとると過去に発言したが、ウイルスが自然起源である可能性の方が高いと考えている。疾病管理予防センター:同機関もウイルスの起源をコウモリに結びつけていることをウェブサイトで書いているが、ロシェル・ワレンスキー所長は2021年の議会公聴会で、実験室漏洩を「可能性の1つ」と発言した。
米情報関連機関:米国の情報関連機関の間では、ウイルスが自然に伝染したのか実験室から漏洩したのかについて意見が分かれており、どちらの説も妥当だと考えていると国家情報会議が2021年10月に発表した報告書に述べられている。ただし同会議は、ウイルスが生物兵器として開発された可能性は排除しており、ウイルスが遺伝子操作されていないことも確認している。
エネルギー省:同省は新型コロナウイルスが実験室から漏洩したと考えているが、それは「低い信頼度」の判断であるとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とニューヨーク・タイムズ(NYT)が2月26日に報じた(同省が介入したのは米国の研究所ネットワークを監督しているためであり、以前は監督官庁が決まっていなかった)。
連邦捜査局(FBI):FBIもかつてウイルスが中国の武漢ウイルス研究所から誤って漏洩したと「中程度の信頼度」で結論づけていたとNYTが報じている。
中央情報局(CIA):米国の主要海外情報機関は、2つの有力な説である実験室漏洩と動物から人間への伝染のどちらであるとも結論を下していないとWSJが26日に報じた。態度を決めかねている2つの機関のうちの1つだ。
他の情報機関:未確認の4機関および国家情報会議(NIC)は、実験室事故ではなく動物から人間への自然伝染であると「低い信頼度」で信じていると報じられており、2021年のNIC報告書から変わっていない。