こうした反論は興味深い。顧客には、数万ドル(数百万円)の資金や膨大な時間を投資して、本当に自分に合っているのかもわからない夢の仕事のために大学院のプログラムを受けたり、仕事を理由に転居したりなど、あらゆるものを受け入れる意思がある。それと比べれば、ボランティア活動は安上がりではないだろうか。
これまで多くの人がボランティア活動により多くの時間や金、エネルギーを節約し、後悔しない選択ができている。
ボランティア活動後もその仕事に興味があれば、この活動を通して、自分に応用可能なスキルがあることを示すことができる。これは求人への応募や面接、大学院への応募で高い価値を持ち、双方に利益をもたらす。
3. オンライン講座を受講する
夢の仕事を試す安価な方法には、オンライン講座もある。資格や証明の取得を目的とする必要はなく、その分野を実際に試して自分が楽しめるかどうかを確認することを目指そう。私のかつての顧客は、テック分野で働くのではなく臨床心理学者になればよかったと繰り返し嘆いていた。ある日彼は、転職のため新たなテック系の仕事の面接を受けていた際に、夢の仕事を追って大学院で心理学を専攻することを思いついた。
筆者は「大学ではどのような心理学の講座を受講したのですか?」と尋ねた。すると「心理学は受講していません」との答えだったので「その後、心理学の講座を取ったことは?」と聞くと、彼は「いいえ」と答えた。
そのため筆者は、大学院に応募する前にせめてこの分野に真に興味が持てることを確認するため、無料の心理学講座を受講することを提案した。彼は少し不満そうに見えたが、了承した。
オンライン講座を始めてから4週間後、彼は「心理学のことはまったくわかっていなかった。研究に焦点を当て過ぎていて、私好みじゃない」と語った。事前にわかってよかった。
明白な例に思えるかもしれないが、筆者はこうしたケースによく遭遇する。私たちは、夢の仕事が持つ希望や幻想に目がくらみ、その仕事の中心にあるテーマを自分は本当に好きなのかどうかについての確認を怠るか、こうしたテーマが好きでなかった場合はどうしようと恐れている。しかし、どちらにせよ正当な答えなので、(投資額が少ない)早い段階で知るべきだ。
4. 一歩引いて考える
現場を試したら、最後のステップは本稿で説明したように、こうした体験から得られたテーマを自分自身の価値観や性格、好みのスキル、与えたい影響と見比べよう。こうした分析を行えば「夢の仕事」がどれだけ今のあなたに当てはまるか、この夢は誰かに任せ、本当の夢の仕事を見つけるべきかを見極めることができる。
(forbes.com 原文)