健康

2023.02.24

現代人の脳は疲れすぎている 認知機能の低下を抑える「ウコン」の可能性

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生物学的に人間の臓器の賞味期限は「42歳まで」と言われています。

織田信長も幸若舞「敦盛」の中で「人間五十年、下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり」と歌っています。人間50年だとすると、40歳から臓器をいたわり健康に過ごすことは健やかな生活を送る上で大変重要です。

中でも近年働き盛りの40代に忍び寄っているのが、認知機能の低下です。従来は高齢者の病気・症状だと思われていた認知機能の低下や若年性の痴呆症状などが、食生活の変化や環境変化などにより、働き盛りの世代にも増えています。

働き盛りの現代人が1日にインプットする情報量は非常に多く、江戸時代の1年分に相当するとまで言われています。その事から、認知機能低下の原因は極度の脳の疲労を抱えていることだと考えられます。

人は過度な緊張が続くと脳疲労を起こし、酷い場合は慢性疲労性症候群となります。そうすると身体が疲労に耐えかねシャットダウンを起こし、鬱病や精神疾患を患ったり、仕事が覚えられない、すぐ忘れてしまうなど、認知症に似た症状が現れたりするのです。

認知症は、2016年の国民生活基礎調査において、介護が必要となる主な原因疾患の第1位になっています。未だ根本的な治療法は開発されておらず、予防の重要性が増しているのです。

インド人は認知症の発症率が低い

そんな中、皆さんに馴染みのある生薬が今注目を浴びています。

お酒を飲む方なら一度は飲んだことがあるあの生薬、ウコン(ターメリック)です。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダや漢方薬で使用されているほか、国内でも沖縄県を中心に健康素材として広く認知されています。
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ウコンの主成分はポリフェノールの一種の「クルクミン」。これが肝臓の代謝を上げることで有名ですが、近年脳への薬効もあるとして、注目されています。

クルクミンは、世界中で認知症や鬱、癌、変形性膝関節症などへの効能が期待され、研究が進められているのです。むしろそちらの方がポピュラーな薬効と言っても過言ではありません。
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文=高田浩孝

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