政治

2023.02.22

ロシア軍の戦車は数年で枯渇か 残された最終手段とは

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ある試算によると、ロシア軍は2、3年後に戦車を使い果たす恐れがある。そのため、ロシアが近い将来、ウクライナのように同盟国に戦車の供与を求める可能性がないとは言えない。

ロシア軍は、侵攻先のウクライナにT-90、T-80、T-72の戦車約2500両を配備。この1年の激戦で1600両以上を失った

ロシア政府は戦車メーカーのUralvagonzavod(ウラルバゴンザボド)とOmsktransmash(オムスクトランスマッシュ)に損失分の補てんを命じたが、できることには限界がある。

両社は、新しい戦車を大量生産する能力も部品も不足している。あるのは長期保管されている古い戦車ばかりで、こうした旧式戦車はコストをかけずに復活させ、前線に投入できる。

ロシア中部スベルドロフスク州に本社を置くウラルバゴンザボドは、新型のT-72B3やT-90Mを生産しているが、そのスピードは遅い。ロシア紙ノーバヤ・ガゼータによると、同国の防衛産業が現在生産する戦車は年250両以下だ。

だがこのままでは、装甲部隊の戦力を維持するだけでも毎年1600両の戦車を用意しなければならない。過去数十年で最大規模の生産能力拡大が行われない限り、1350両の「新しい」戦車を用意するためには、備蓄されている旧式戦車を使う必要がある。

ロシア軍が使用可能な戦車を何両保有しているかは、盛んに議論されている。ノーバヤ・ガゼータ紙は8000両の「保管」戦車があると推定。一方、あるアナリストが公開情報に基づき行った分析では、戦時備蓄としてT-72、T-80、T-90が1万両あるとされた。

問題は、これらの戦車の大半が野ざらしにされ、金属が錆び、ゴムが損傷し、傷つきやすい光学機器が劣化した状態で保管されていることだ。

同アナリストは、保管されている6900両のT-72のうち、復旧できるのは3分の1のみだと推定している。T-80は、3000両のうち半分程度が復旧可能とみるのが現実的だろう。比較的新型のT-90も数百両保管されており、その大半はそれなりに良い状態のはずだ。

つまり、ロシアには修復可能な備蓄戦車が3800両ほどしかないかもしれない。あるロシアの情報筋はノーバヤ・ガゼータ紙に対し、ウラルバゴンザボドとシベリアに本社を置くオムスクトランスマッシュは合わせて年600両の古い戦車を復旧できると語った。

計算してみよう。ロシアは戦車2500両をもってウクライナに侵攻し、最初の1年で1600両を失ったが、同じ期間に850両程度を生産または修理した可能性がある。
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翻訳=溝口慈子

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