「D&Iアワード 2022」では、認定企業の中でも特に優れた取り組みを行った、ファミリーマート、平安伸銅工業など4社がD&Iアワード大賞、12社がD&Iアワード賞を受賞した。
JobRainbow CEOの星賢人は「2022年度は大きな変化の年だった。多様性やダイバーシティ&インクルージョンへの社会的な注目がより一層高まっただけでなく、ESG経営の重要性が更に向上した」と述べ、こう続けた。
「企業がダイバーシティや不公平の是正に取り組むことは、未来を築くアクションになるだけではなく、これからの生存戦略にもなるはずです」
ラッシュジャパンの「エシカル憲章」
表彰式では、多様な観点から高い評価を得た受賞企業が登壇し、D&Iの取り組みとその成果が紹介された。D&Iアワード賞の受賞企業12社のうち、大企業部門を受賞したラッシュジャパン(神奈川県愛川町)。原材料は100%ベジタリアン対応で、ヴィーガンコスメの先駆けである英国発ナチュラルコスメブランドだ。
社会のD&Iの現状にアンテナを高く張っている点や、キャンペーンの展開やインクルーシブな言語を用いた商品名への変更などを通じて、社会に強くメッセージを発信し、社会変革を促している点が評価された。
同社のビジネス方針である「エシカル憲章」のうち「All are welcome, always」は、特にD&Iとの関連が深い。
これまでも、キャンペーン「結婚をすべての人に」でのチャリティソープの販売など、同性婚法制化に向けた取り組みや、性別や人種に配慮した国内人気商品の名前の見直しを行い、多様性への配慮に関して社会的インパクトをもたらしてきた。
京セラ本社と拠点をつなぐ環境づくり
D&Iアワード賞の地方企業部門を受賞したのは、京セラ(京都市)だ。同社の全国数十か所にある拠点では、約2万人の社員が異なる業務に従事し、異なる環境下で働いている。そのため、D&Iに対する意識や、経営トップからの情報が全体に伝播しにくいという課題があった。そこで京セラは、全社員に1人1台携帯端末を配布。全従業員が本社から発信されるD&I関連情報にアクセスしやすい環境を整えた。
さらに、各拠点で独自のダイバーシティ推進委員会を立上げ、全社員がD&Iを自分ごとと捉えることができる環境づくりを目指した。
登壇した担当者は「京セラの経営理念の1つである『全従業員の物心両面の幸福を追求』はまさにD&Iそのもの。社員1人1人が働きがいを持って活躍できる、そんな職場作りを目指し日々試行錯誤してきました。D&I推進に大きな力をくれた全国の事業所、工場の社員に感謝しています」と述べた。