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2023.02.17

24年卒向け「ホワイト企業ランキング」 知名度だけじゃない就職先選び

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就職試験ではケース面接などを通して、地頭の良さやグーグリネス(グーグルらしさ)の有無、職種への知見・スキルなどをチェック。竹内氏曰く、「EQ」重視の傾向があるという。面接は日本語と英語の両方で行われ、内定獲得の難易度は高い。エンジニアの場合は過去、プログラミングの問題が面接で出題された。

1位:Facebook Japan


米国本社がMeta Platformsに社名変更したFacebook Japanが、2位をわずか0.04ポイント上回る僅差で、トップの座に輝いた。

同社も2位のグーグルと同じく、米国本社で昨年秋に1万人超の大規模な人員削減を実施。しかしSNSとしてのグローバルでの圧倒的なシェアの高さや、高精度のターゲティングで膨大な売り上げを産む広告など、メガプラットフォーマーとして高利益率を実現するビジネスモデルの優位性が、事業見通しや財務面で高いポイントを獲得した。

「リストラはしていますが、それでも高い給与や手厚い福利厚生など、高待遇であること。そして充実した労働環境や成長環境が用意されていて、次の転職先も簡単に決まりやすいことなどが、加点要素になりました」(竹内氏)

基本的に、日本では新卒採用を行っておらず、キャリア採用でもかなり高い採用基準を設けているという同社。面接はほぼ英語で実施し、竹内氏は「どちらかというと単純に頭が切れる人というよりも、『チームワークを重視する優れた人間性を持つ人』を好む傾向がある」と説明した。

トップ3は全てGAFAが占め、メガプラットフォーマーの強さが健在であることが明らかになった。ほか、11位から100位までの企業は下記の通り。

一流ホワイト企業ランキング 11位〜100位 






IT、航空、商社━━ トップ100「3つの傾向」

ここからは、トップ100ランキング全体でみられた3つの傾向について、解説していく。

1. IT企業全般の順位が上昇。トップ100の4割を占める

今回、IT業界の企業が、TOP100へのランクイン数で最多となった。ITコンサルも含めると、ランクイン企業の約4割を占める。その背景について、竹内氏は次のように考察した。

「技術の進歩やDXの普及で、IT業界には追い風が吹いています。生産性が高いため待遇が良く、残業時間が少ない。休みもしっかり取れます。また、実力重視で組織の風通しがよく、若いうちから裁量を持って働ける企業が多いため、近年、順位が高くなる傾向があります」

2. コロナ禍が落ち着き、外資系航空会社が再ランクイン

昨年から水際対策が緩和されたことで、国際線の需要が回復。外資系航空会社にも仕事が戻り、待遇面や財務面のポイントが回復してきたため、17位のエミレーツ航空、44位のシンガポール航空など、100位圏内に返り咲く企業が目立った。

「もともと航空関係の仕事には大きな憧れを抱いて就く人が多く、その分やりがいを感じやすい。結果、社員からの評価が高くなりやすい傾向があります。昨年、一昨年と新型コロナウィルスの影響を直接的に受けてきた業界です。コロナが落ち着き、円安の影響で海外からのインバウンドも増加している。今回のランクインでは、航空業界の確かな復調を感じられます。外資系航空会社では、キャビンアテンダントやグランドスタッフの採用も復活してきています」(竹内氏)
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文=大柏 真佑実

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