4位:インクグロウ
中小企業の事業承継やM&Aに関する経営支援サービスを提供するコンサルティング会社が、昨年から40位以上順位を伸ばし、4位に登場した。竹内氏は「今後、高齢化に伴ってニーズが増す領域と言える」として、事業の見通しを評価したほか、優れた同社のワーク・ライフ・バランスにも注目する。「M&A業界ではリサーチや分析など、業務量が膨大で、インセンティブが重視される側面もあるため、労働時間が膨らみがちです。しかしインクグロウについては、全社的に長時間労働の抑制に取り組んでいて、事前申請がない場合には定時後のパソコン利用ができない仕組みになっています。実際、我々が調査対象から独自に得た情報では、残業時間の平均が20時間を下回っていました」
しかしそれは、事業承継やM&Aに関する高い専門性と生産性を持ち、短時間でパフォーマンスを発揮できる人材を必要としているということでもある。同社は待遇も良く、社員一人ひとりに与えられる裁量も大きいが、現状、新卒採用は行っていない。
3位:アマゾン ウェブサービス ジャパン
クラウドサービスで世界トップのシェアを誇るアマゾン ウェブサービス ジャパンが、昨年に続き3位に選ばれた。「エンジニアの採用が中心で、入社後には高いスキルが身に付く環境が整備されています。社内公募制度があり、対象社員は海外を含む Amazon内で募集中のポジションに応募できることなどから、成長環境、職場環境への評価が高まりました。社内公募制度がある会社は、社員の満足度が高まる傾向にあります」(竹内氏)
また、同社では給与や福利厚生のホワイトスコアも高く、Amazon.co.jp の商品を社員割引価格で購入できる制度もある。現在、採用を拡大しており、昨年度は200名を超えるエンジニアを募集。求める人材像や就職試験の傾向について、竹内氏は次のように説明した。
「地頭を重視してはいるものの、ITスキルが高ければ学歴に関係なく内定を獲得できるチャンスがあります。WEBテストでAWS独自のIT知識を問う問題が出題されることがあります。応用情報技術者試験の過去問題などを、解いておくとよいですね」
2位:グーグル
昨年の首位は譲ったものの、2位にグーグルがランクイン。今年に入って1万人超のレイオフを実施しているが、ワーク・ライフ・バランスから給与、財務指標に至るまで、あらゆる指標で高得点をマークした。「オフィス内での食事や軽食の提供、フィットネスセンターの整備を始め、料理教室やウェルビーイング教室など、社員が生産性を高めて働けるように、職場環境を充実させている点は特徴的でした。『年に4週間はどこからでも勤務可能』で『ハイブリッドワーク』の制度も導入され、柔軟な働き方も実現しています。また、社員同士が学び合い、コーチングし合えるプラットフォームもあり、エンジニアが多い会社らしく、社員同志を上手くマッチングして高めあっていける仕組みを整えている点は印象的でした」(竹内氏)