BUAISOU、5人の小さな工房がグローバルブランドになれた理由

BUAISOU マネジメントの西本京子氏。写真提供:CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)2月5日まで開催中の展覧会「Absolute Blue: BUAISOU Works with Japanese Natural Indigo」の展示作品「 百色幟」の前にて

BUAISOUはただただ良いモノ作りをしてきただけではなく、西本氏のディレクションのもと、戦略的に世界に打って出るための手段を講じてきた。当然その過程においては、批判を浴びることもあったという。

「残念ながらユニクロとコラボレーションした時は、我々が染めた生地の色味や柄を忠実に再現しプリントした商品だったので、『お前等は悪魔に魂を売ったのか!』とまで卑下されたこともありましたが、固執した狭い視野の概念だけでは、もう世界とは勝負できないと思います。

ナイキを通してでしか我々の声が届かない層もいれば、ハイブランドを通してでしか、藍に興味がない方々もいる。そしてユニクロを通して藍に興味をもった方々も少なからずいるはずです。多角的な視点を持ち合わせ、アプローチをしていかないと、裾野を広げることはできず、それだけ声が届くであろう層を最初から失ってしまうことになります。

また、このような話をすると、モノ作りではなく戦略でのし上がったのか、などとご指摘を受けそうですけど、私は両方が必要で、ある程度したたかに事をなさないと、グローバルでは戦えないという確信があります。包み隠さずありのままのやり方を皆様にお伝えすることで、日本のモノづくりを世界に知らしめる、そして何よりも残すことの出来る一助になれば本望です」


西本京子◎BUAISOU取締役 / マネジメント。海外の設計事務所での仕事を経てカイカイキキに入社。以後6年間、村上隆氏のマネジメントに携わり、グローバルで活躍するためのブランディングを実践しながら習得する。2014年、地域おこし協力隊の課外活動であった「BUAISOU.」に参画し、2015年、徳島、ニューヨークでの会社設立に携わる。

文=国府田 淳

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