FIFAワールドカップ、Netflix作品にもなった「暗黒の歴史」


尽きない「スポーツウォッシング」


1936年ベルリン五輪はヒトラーが、1978年FIFAワールドカップはアルゼンチンの独裁政権が、そしてプーチン大統領が2018年ロシア大会を、「プロパガンダ」「スポーツウォッシング」に利用してきた。世界から注目を浴びるスポーツ大会の影響力は絶大で、招致のためにはありとあらゆる贈収賄が繰り返されてきた。

カタールでは、会場建設やインフラ整備の工事で外国人労働者が過酷な作業を強いられ、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、スリランカからの移民労働者6500人以上がワールドカップ開催決定後に死亡したとガーディアン紙が昨年報じている。カタール政府は、スタジアム建設に関連した死者数は37人、うち作業関連死は3人と発表している。また、女性やLGBTQ+の人権についても問題視されている。

欧州議会は11月、こうした人権侵害を非難する決議を採択し、FIFAの汚職疑惑についても指摘していたが、今回議会内の問題が浮上した。

3億円超の年俸を稼ぐジャンニ・インファンティーノFIFA現会長は、この人権問題に関する批判に非難で返し、笑顔でカタール首長との親密な関係を報道陣に誇示している。

『FIFAを暴く』は、いずれ続編も制作されることになるのだろうか。

インファンティーノFIFA会長(写真左)とカタールのタミム首長(Photo by Marcio Machado/Eurasia Sport Images/Getty Images)
インファンティーノFIFA会長(写真左)とカタールのタミム首長(Photo by Marcio Machado/Eurasia Sport Images/Getty Images)

連載:スポーツ・エンタメビジネス「ドクターK」の視点

文=北谷賢司 編集=宇藤智子

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