ビジネス

2022.11.25

高城剛×四角大輔 2028年以降の大変革時代を生き抜くサバイバル術

長年日本に居を持たず、自律分散的な生き方を続ける高城剛氏(左) 四角大輔氏(右)


高城:僕は家もないし、固形物も徐々に食べなくなって(笑)。食べなくなるメリットは他にもあって。それが時間。食べる時間も不要、食べないと眠くならないから、睡眠も少なくて済む。食べなければ、時間はたっぷり確保できるんです。

本気でやりたい事がある人にとっては、最高です。もし、僕がやりたい事がなければ、きっと美食に溺れるでしょうけど。

四角:実は、自給自足ライフを送っていると過食をしなくなるんです。自分で食料調達する苦労を知り、食べものは命であると思い知らされるから、自然とそういう境地に至る。

そして、食べる量が減ると脳のパフォーマンスは自然に高まっていく。高城さんはもはや「不食」レベルで、仕事も驚異的に早い。超忙しいはずなのにメールもほぼ即レス。

高城:映画もクランクインから6週間後には、ほぼ完成しましたね。早いと予算もあまり掛からないからいいんですよ。仕事でも私事でも、すぐやるか、断るか、どちらかです。

20代の頃は、30秒のCM作るのに膨大な時間と予算を使ったりしてましたが、時代の価値観も変わり、テクノロジーも進化したことで、人も少なく、撮影日数も大幅削減。大型のシネマカメラももう必要ありませんね。


迫力あるシーンは「ワイルドスピード」を撮影したキューバのチームが担当。11月26日よりユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて劇場公開

四角:映画製作だけでなく、仕事の進め方もぶっ飛んでますよね。ぼくは10年以上前から、プロジェクトごとにエキスパートをアサインして、終了したら解散するモジュール型の仕事のやり方をしてきて、それなりに一歩先をいくワークスタイルだと言われてきましたけど、高城さんはもっと先を行ってる。

高城:僕の場合は、街を歩いていて、偶然会った人との談話から仕事をすることが多くて。今日もたまたま会った人と、新しい仕事をすることにしました。即決です。

困ったら、街を歩けば誰かに会って、よく言えば運命にまかせてるっていうか、セレンディピティというか。悪く言えば、他力本願というか、テキトーっていうか。これって、DAO?

四角:それはもう究極のDAO式仕事術ですね(笑)。

高城:実は今回の映画も、メルマガの読者から公募してチームを作りました。カメラの露出も知らなかった人にやり方を教えて、いきなり映画の撮影をしてもらうという。基本、誰かを信じたら、任せます。僕はとにかく挑戦的な人たちと、新しいものを作ることが好きなんです。それを使って儲けることには興味がない。

四角:高城さんはいつも、新しいことを今まで誰もやったことない斬新な方法でやる。一回ハマったら極限まで究めていく。今回の映画も、市販のミラーレスカメラだけで撮影していますね。

高城:撮影はヨドバシで買ったソニーαのミラーレスカメラを使って、10台同時に撮影しました。でも、人手が足りませんので、無人カメラ多数です。


Sonyのミラーレスカメラ「α1」10台とG Masterレンズ20本を持って渡航。10台のカメラを同時にまわして撮影した

四角:無人のカメラの方がいい映像を撮っていたとか。
次ページ > 「ロマン」はあるのか?

文=国府田 淳 写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事