アップル幹部が語るリモートワークが「iPadの進化」に与えた影響とPencilの可能性

アップルのワールドワイド プロダクト マーケティングチーム バイスプレジデントのボブ・ボーチャーズ氏


ボーチャーズ氏はまた日米を問わず、iPadを仕事の現場に活用するプロフェッショナルが増えていると話す。

「例えば航空機のパイロットが以前はバッグの中に詰め込んでいたたくさんのマニュアル類をiPadに入れてコンパクトに携行しているというエピソードを聞きます。また先進医療の現場にもiPadが普及しています。iPadの汎用性と可搬性を活かし切ることによって新しい知見が広がる可能性は、もはや多くのユーザーにとって実感をともなうものになりました」

毎日使うことでApple Pencilの「もっと良い方法」が見えてくる


筆者はこれまでに数多くのデジタルペンを試してきたが、iPad専用の手書き入力デバイスであるApple Pencilは、その中でも特に使い勝手が洗練されていると感じる。

だが、筆者周辺のiPadユーザーにはApple Pencilを持っていなかったり、持っていても使いこなせていない方も多くいる。ボーチャーズ氏は身近なエピソードも交えながらApple Pencilの魅力を語ってくれた。


第10世代のiPadが対応する第1世代のApple Pencil(写真手前側)と、iPad Pro、iPad Air、iPad miniが対応する第2世代のApple Pencil(写真奥側)

ボーチャーズ氏は特に学生たちの独創的なApple Pencilの使い方に刺激を受けているという。「先生が教えてくれることを正確に書き留めるだけでなく、色鮮やかな注釈を付けたり、理解を深めるためにイラストを描き込んだり、生徒たちが創るノートはとても華やかでアーティスティックなのです」

Apple Pencilとは、仕事や創作活動に「今までよりもっと良い方法」を見つけるために欠かせないデバイスなのだとボーチャーズ氏はその特徴を説いている。

筆者はApple Pencilをどんな用途でも良いので「毎日使う」ことによって、ボーチャーズ氏が語るところの「もっと良い方法」が見えてくると考える。

例えばiPadのあらゆるテキストボックスにApple Pencilで書いた手書きの文字を、すばやくデジタルタイピングの文字に変換する「スクリブル」を活用して、Webブラウジング際に検索キーワードを手で書く習慣を身に付けてみよう。そのうちApple Pencilが手に馴染んでくると、紙に書いたり、キーボードでタイピングするより「もっと手軽で便利な方法」であることが自然と見えてくるはずだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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