「やりがい」は続けた先に。俳優・高杉真宙の現在地

俳優・高杉真宙

すっかり世間に浸透したSDGsという言葉。しかし、どれほどの人がその言葉の意味や内容を、理解し実践できているのか……。

SDGs=持続可能な開発目標。それは決して、国や企業だけが目指すゴールではない。

いま、この星に生きる私たち一人ひとりが、たとえ「ちいさく」ても、できることを「ちょっとずつ」実行することが、求められている。

2021年末にスタートした「sdgs_media_japan」では、個人的で身近なSDGsを伝え、広めるために「いっしょに学ぼうSDGs!」と題し、発信力の高い俳優やタレントを、毎月一人ずつ紹介。日常生活のなか「自分たちの未来に共感」できるような、「ちいさくて」「ちょっとした」SDGsアクションを伝えている。


「SDGsの重要性、1人でも多くの人に伝えいきたいですが、やっぱり、人に何かを伝えるのって難しいですよね」

SDGsの取り組みをもっと広めるために必要なことは何か。そんな問いかけに、彼は少しの間黙考してから、こう口を開いた。

高杉真宙、26歳。福岡県出身の彼は、小学校6年生でスカウトされ、若干13歳でこの俳優業をスタートした。以後、数多くの映画やドラマに出演。数々の賞を獲得するなど、その演技力は10代のころから高く評価されている。

そして、10月14日に公開された映画『いつか、いつも……いつまでも。』では、主人公の医師・俊英を演じる。

「俊英は、一緒に働いている看護師さんから『ロボットみたい』と言われるような、感情を表に出すことが苦手な性格。いっぽうで、繊細な部分があって、自我も強い、そんな人です。僕自身とは、少し不器用なところ、人付き合いがちょっと苦手なところは似ているかもしれません。ただ、ときおり強気で話すところがあって(苦笑)。それは、僕にはまったくない要素なので、演じるのが少し難しかったですね」

映画では、俊英やほかの登場人物たちが囲む食卓が、安らぎの場として描かれる。そして、その食卓に、じつは持続可能な社会を目指すうえでも大切なアクションが存在していた。

「僕も後から知ったことなんですが。映画『いつか、いつも……いつまでも。』では、芹川藍さん演じる家政婦のきよさんが、余ったオカズを必ず次の食事の食卓にも並べるように撮影していたんです。

古き良き日本の“もったいない”の文化が、物語の中でもしっかり再現されていたということ。僕はそれを知って、驚きとともに、なんだかとっても嬉しくなりました。僕自身、あまり自炊はしないんですが、それでも、たまにご飯を炊いて食べきれないようなときは、必ず冷凍保存しています。食材を無駄にしないように」
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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