長澤まさみが実践する「欲望のコントロール」というSDGs

女優 長澤まさみ

すっかり世間に浸透したSDGsという言葉。しかし、どれほどの人がその言葉の意味や内容を、理解し実践できているのか……。

SDGs=持続可能な開発目標。それは決して、国や企業だけが目指すゴールではない。いま、この星に生きる私たち一人ひとりが、たとえ「ちいさく」ても、できることを「ちょっとずつ」実行することが、求められている。

2021年末にスタートした「sdgs_media_japan」では、個人的で身近なSDGsを伝え、広めるために「いっしょに学ぼうSDGs!」と題し、発信力の高い俳優やタレントを、毎月一人ずつ紹介。日常生活のなか「自分たちの未来に共感」できるような、「ちいさくて」「ちょっとした」SDGsアクションを伝えている。


「人任せにするのは簡単。それに、個の力は小さいかもしれない。でも、本当に自分たち一人ひとりが動くしかないので」

SDGsへの関心について問われると、彼女は少しの間、思案した。そして、少し難しい表情を浮かべ、絞り出すようにこう述べたのだ。

長澤まさみ。35歳。静岡県に生まれた彼女は、第5回「東宝シンデレラ」オーディションに応募。3万5153人の中からグランプリに選ばれ芸能界に。このとき彼女は12歳の小学6年生。これは、史上最年少(当時)の快挙だった。以後、ドラマ、映画、舞台で数多のヒット作、話題作に出演を続けている。

そして、10月24日からは、主演の連続ドラマ『エルピス−希望、あるいは災い−』が始まる。彼女の役どころは、エースの座から転落した、元人気女子アナ。

「私が演じるのは、テレビ局のアナウンサー・浅川恵那。自分の求めているものに対して、自分が追いついていない人かな。壁にぶつかって、立ち止まってる、そんな人です。でも、なんだろ……、自分が求める正義感みたいなものに『忠実に生きたい』、そう強く思ってる人。基本的にはとても向上心の強い人だと思います」

ドラマのタイトル「エルピス」は、古代ギリシャ神話で、中からさまざまな厄災が飛び出したとされる「パンドラの箱」に唯一残されていたもののこと。希望や災いの予兆とも訳されるという。

「いま、多くの問題を抱える地球や人類にとってのエルピス(希望)、それは“人間の成長”だと、私は思います」
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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