私服は、もっぱら古着派だ。いわゆる“お下がり”も含め、「誰かが大事に使っていたものを譲り受ける感覚が好き」なのだと言う。
「僕、祖父から洋服をもらったりするんです。逆に祖父に着なくなった服をあげることもあるんですが。少し前にも、祖父が愛用していた革ジャンをもらって。色あせてる感じとかが、すごくいいんですよ。『よし、俺がこの歴史を背負っていくぜ』なんて思って、袖を通したんですけど……。よくよく聞いたら、祖父は『2〜3年しか着てない』と。しかも、そこまで古いものでもなかった(苦笑)」
人に何かを伝えられる仕事に就いている、と自覚する彼だが、それでも、いや、だからこそ、大切な何かを広めることの難しさを痛感することもある。
「SDGsに限らず、人に何かを伝えることって難しいですよね。普段の会話のなかに当たり前のように、SDGsが話題にのぼるようになるのがいちばんいいなって思う。そして、いち早く気づいた人が、周りの人たちに『こんなことしてみよう、あんなことしてみよう』と提案する、そうやって、どんどん繋がっていくのが理想的なんだろうなと」
そして、自分自身がすべきこととして、こう続けた。
「僕自身は、人に何かを伝えられるチャンスのある職業に就いていると思うので。だからこそ、伝えるべきものを見極めていくことが必要だと思う。俳優という仕事の影響力をちゃんと自覚して、その影響力を正しく使って、大切なことをきちんと伝えていきたい、そう思っています」
高杉真宙◎1996年福岡県生まれ。2009年、13歳で俳優としてのキャリアをスタート。12年に映画「カルテット」にて初主演を務める。14年、映画「ぼんとリンちゃん」にて第36回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞。近年では、映画『いつか、いつも……いつまでも。』舞台「ライフ・イン・ザ・シアター」などジャンルに縛られず数多くの話題作に出演。現在、NHK「舞いあがれ!」フジテレビ系「PICU 小児集中治療室」日本テレビ系「ぐるぐるナインティナイン」ゴチになります、に出演中。