初の自社製Google Pixel WatchはFitbit連携で健康管理も得意

グーグルによる独自のWear OS 3.5を搭載するスマートウォッチ「Google Pixel Watch」

Google(グーグル)がウェアラブル向けに展開する独自のWear OS 3.5を搭載する、初めての自社製スマートウォッチ「Google Pixel Watch」を発表した。10月13日に迎える発売を前に実機を数日間試すことができた。ファーストインプレッションを報告しよう。

「Wear OS 3.5」の特徴と課題、iPhoneとの連携不可


グーグルは2021年の年次開発者向け会議で、ウェアラブルのソフトウェア領域におけるサムスン電子との業務提携を発表。以降グーグルのWear OSと、サムスンのTizen OSを統合する新しいプラットフォームの共同開発に乗り出した。両社のパートナーシップにより誕生したOSの名称はWear OSのまま変わらない。その採用は2021年にサムスンのGalaxy Watch4シリーズから始まった。今回グーグルのPixel Watchにも最新バージョンであるWear OS 3.5が搭載された格好だ。

両社のコラボレーションによる新しいWear OSが目指すテーマは「応答性能の向上」と「バッテリーライフの改善」、そして外部デベロッパを巻き込みながらWear OS対応のハードウェアとアプリの「エコシステムを活性化させる」ことの3点だ。

Wear OS 3.5には、ホーム画面の左右スワイプ操作により表示する「タイル」というユーザーインターフェースがある。タイルを活用すると、ウォッチに投入したアプリやさまざまな情報にすばやくアクセスができる。このタイルの開発環境が外部デベロッパに公開されたことから、今後ユーザーは多様なアプリとタイルの選択肢が得られるとグーグルは説明している。


ウォッチフェイスを左右にスワイプすると表示される「タイル」Fitbitの心拍数アプリが持続的に計測している心拍の数値などがすばやく確認できる

しかし、新しいWear OS 3.5には1つ大きな課題もある。以前のWear OSではモバイルアプリにより実現していた「iPhone対応」ができていないのだ。Pixel Watchにとって最大のライバルとなるスマートウォッチはApple Watchだ。Apple Watchの弱点がまだiPhoneでしか使えない閉じたエコシステムにあるとすれば、従来Wear OSを搭載するスマートウォッチの強みはAndroidスマホとiPhone、両方のユーザーに門戸を開いていることだった。Pixel Watchも早急にiOS対応を実現して、iPhoneユーザーの関心を引きつけたい。

つまるところ、Pixel Watchは初期設定から日々の利用のためにAndroid 8.0以上を搭載するデバイスとのペアリングが必要になる。iPhoneでは使えないので注意したい。
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編集=安井克至

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