その個性に磨きをかけたAIスマホ「Google Pxiel 7/7 Pro」

Android 13を搭載する「Google Pixel 7」(左側)と「Google Pixel 7 Pro」(右側)

グーグルが自社で設計・開発する最新のスマートフォン「Google Pixel 7」「Google Pixel 7 Pro」を発売する。実機のハンズオンも交えながら各モデルを紹介したい。

独自のTensor G2チップがモバイル体験を革新


Google Pixelはスマートフォンを中心に、ワイヤレスイヤホンとスマートウォッチにも広がるグーグルによるモバイル製品のオリジナルシリーズだ。2023年にはタブレットの発売も予告している。

Pixelシリーズに加えて、ノートPCのChromebook、スマートホームのNestシリーズなどグーグルが自社で設計・開発を手がけるデバイスによるエコシステムは、グーグルが外部のパートナーと連携しながら強化を進めてきたAndroid OSによるエコシステムと切り分けられたかたちで成長を続けている。

今秋にグーグルが発売するPixelシリーズの端末はスマートフォンが6.3インチのPixel 7と6.7インチのPixel 7 Pro。カメラにディスプレイなど一部のスペックが強化されている「Pro」が上位機種だ。このほかに初のスマートウォッチ「Google Pixel Watch」もある。本機は別記事でレビューする。

グーグルは2021年に発売したスマートフォンのPixel 6シリーズから、独自に開発するシステムオンチップ「Google Tensor(グーグル テンサー)」の搭載を始めた。グーグルは汎用品ではない独自のチップをPixelシリーズに載せる意図について、高度な機械学習や音声処理による体験の独自性に磨きをかけ、さらにAndroid OSとの連携を加速させるためと説明している。

Pxiel 7シリーズは新しい「Google Tensor G2」を搭載した。独自の「Tensor Processing Units(TPU)」回路を強化したことで、機械学習に関わる処理の実行速度が最大60%、効率性能が最大20%向上した。その効果はPixel 7シリーズのユニークな「カメラ」と「音声認識」の機能にもよく表れていた。

AI画像処理により写真を楽しむ機能が充実


カメラはデジタルズーム撮影時に超解像処理を効かせて細部の精細感を高める。Pixel 7は最大8倍、Pixel 7 Proは最大30倍までの高精細なズーム撮影に対応した。どちらもPixel 6シリーズに比べると倍率が上がっているが、その差はにも反映される。より画素の高いセンサーを搭載したPixel 7シリーズは、デジタルズーム撮影時に写真の中央部分を切り抜く処理を行うことで写真のディティール再現を高めている。


上位モデルのPixel 7 Proはメインの広角カメラのほか、マクロ撮影に対応する超広角カメラ、光学5倍・デジタル30倍ズームが可能な望遠カメラを搭載する
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編集=安井克至

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