しかし、これまでの日本は、自分らしく生きることとは少し縁遠かったかもしれません。それは、日本人が調和とバランスを好み、またそれを得意とし、与えられた環境下で働くこと、暮らすことで、それなりの幸せを得られきたからでしょう。
少し前までの日本は、終身雇用が当たり前で、新卒で就職すれば一生会社に守ってもらえることが約束されていました。そんな環境下では「自分らしく生きる」ということについてあまり考えることもなく、良くも悪くも思考停止状態となるのも仕方がありません。
しかし、そんな社会の状況は今、大きく変わりつつあります。
日本でもジョブ型雇用が始まり、副業を認める企業も増えてきました。もはや、「会社に守ってもらえる」時代は終わりつつあります。この関係性の変化に気づき始めているのが、社会の中核を担い始めている「ミレニアル・Z世代(20~30代)」です。彼らは、会社や社会に手厚く守られる時代の終焉と、自分のウェルビーイングは自分で守らなければならない時代の到来を肌で感じています。
Z世代の台頭
ミレニアル・Z世代以下の若者たちは、50、60代以上の日本人と比べると、明らかに「自分はこうしたい」というはっきりとした意志表示をします。
お金では得られないものに価値を見出し、ものを持たないシンプルな生活を好み、自分のための時間を大切にするのもこの世代の特徴のひとつでしょう。オンラインで世界中の人たちとつながることにも抵抗がなく、世界中から得られる情報をもとに考えられる世代でもあります。コロナ禍によってリモートワークが進み、仕事とプライベートの境界線があいまいになったことも、彼がが自分らしい生き方考えるきっかけになりました。
受け身のままではなく、自分から動かなければウェルビーイングを手に入れられない。この考え方は、ミレニアル・Z世代を中心に、今後の日本の主流になっていくと考えられます。そこにビジネスチャンスが生まれるのです。