しかし、その納車式は、まるで本物の「アメリカ」が日本に上陸したかのようだった。一直線に並んだ4台のモデルYの前に、最初のオーナーが現れ、同じYの字がついた黒いTシャッツを着た50人のスタッフがいきなり大きな拍手とエールを送る。オーナーたちはその場で自分のクルマに乗り、そのまま帰って行った。
しかも、この初日には19人のオーナーに「納車」されたけど、テスラ・ジャパンの話によると、これから毎日のように、同会場で20〜30人のオーナーに引き渡される。
さて、このモデルYはどんなクルマなのか、乗ってみることにした。
パッと外観を見ると、モデル3よりひと回り大きいし、全高が高いことに気づく。モデル3のフロント周りにかなり似ているけど、ハッチバックのようにBピラーからルーフラインが少し跳ね上がって、テールはファストバック流だ。正直なところ、モデルYは10年以上も前に登場した初のテスラのセダン「モデルS」の外観ほど格好良いとは言い切れないのが第一印象。デザイナーは美しさより、実用性、利便性、走りを重視したようだ。
ここでドアロックを開けるキーカードの話をするけど、その機能と同じようにモデルYには驚くほどの技術が満載。名刺サイズのカードをBピラーに当てると、ドアが自動的に開く。自分の携帯電話に当てはめると、携帯を持っているだけでドアが開く。そうして運転席に座ると、室内デザインのスパルタンでシンプルな印象に目が点になる。ミニマルズムそのもの。ステアリングホイールについているボタンや天井のハザードスイッチ以外、ダッシュボードには何もない!
すべてがダッシュボードに集約される車内。