世界2番目のEVメーカー・テスラの超人気車「モデルY」の真相

テスラ Yの納車式はパーティのようだった

あまりにも派手な納車式で、チアリーダーが出て踊り始めるのではないかと期待してしまうほどの熱狂だった。先週の木曜日には、50人のテスラ従業員が現れて、東京・有明の某施設で初めて国内のユーザーの手に渡る〈テスラ・モデルY〉の納車式を盛り上げた。米国に遅れること2年、6月10日から国内でも後輪駆動モデルのRWDと、四輪駆動のパフォーマンス仕様の2タイプがオンライン受注を開始し、ついに納車となった。ちなみに、日本仕様車は、中国のギガファクトリーで生産され、船便で横浜港に着く。テスラが「世界第2」というのは販売台数で、中国のBYD社が世界1だから。

しかし、その納車式は、まるで本物の「アメリカ」が日本に上陸したかのようだった。一直線に並んだ4台のモデルYの前に、最初のオーナーが現れ、同じYの字がついた黒いTシャッツを着た50人のスタッフがいきなり大きな拍手とエールを送る。オーナーたちはその場で自分のクルマに乗り、そのまま帰って行った。

しかも、この初日には19人のオーナーに「納車」されたけど、テスラ・ジャパンの話によると、これから毎日のように、同会場で20〜30人のオーナーに引き渡される。

さて、このモデルYはどんなクルマなのか、乗ってみることにした。

前から見たテスラ

パッと外観を見ると、モデル3よりひと回り大きいし、全高が高いことに気づく。モデル3のフロント周りにかなり似ているけど、ハッチバックのようにBピラーからルーフラインが少し跳ね上がって、テールはファストバック流だ。正直なところ、モデルYは10年以上も前に登場した初のテスラのセダン「モデルS」の外観ほど格好良いとは言い切れないのが第一印象。デザイナーは美しさより、実用性、利便性、走りを重視したようだ。

ここでドアロックを開けるキーカードの話をするけど、その機能と同じようにモデルYには驚くほどの技術が満載。名刺サイズのカードをBピラーに当てると、ドアが自動的に開く。自分の携帯電話に当てはめると、携帯を持っているだけでドアが開く。そうして運転席に座ると、室内デザインのスパルタンでシンプルな印象に目が点になる。ミニマルズムそのもの。ステアリングホイールについているボタンや天井のハザードスイッチ以外、ダッシュボードには何もない!

カードキーの写真

キャビンの写真
すべてがダッシュボードに集約される車内。
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文=ピーター ライオン

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